グラデーション とは漸進的に変化する直線的な配色順のことです。 グラデーションの最も基本的な利用法は、 「グラデーションツール」や「グラデーション塗りつぶしツール」の異名がある ブレンドツール に依っています。 このツールはグラデーションから色を得て選択範囲を塗りつぶします。 選べるツールオプションがたくさんあって、 選択範囲の内側でグラデーションをどんな形状や規則で描くかを調整できるようになっています。 このツール以外にも以下のような重要なグラデーションの利用方法があります。
GIMP の基本的な描画ツールはどれもグラデーションから色を採り塗色を変化させるオプションが使えます。 ブラシに始点から終点まで色が変化してゆく効果がつきます。
現在このフィルターは 「着色」が可能となりました。 (強度 0 は最も暗い色をさし、 グラデーションの左端の色で置き換えられます。 強度が増すにつれ徐々に異なる色が与えられ、 一番明るい色をさす強度 255 の画素はグラデーションの右端の色で置き換えられます。) より詳しくは 「グラデーションマップ」 をご覧ください。
→ → に置かれています。 このフィルターは画素の強度を読みとって現在活性化しているグラデーションから相応の位置の色に置き換えるしくみで画像にGIMP をインストールすると、 結構な数の興味深いグラデーションがついてきますが、 新たに作成したり外部の配布元から取得してきてそれらに追加することもできます。 利用可能なグラデーションはすべて グラデーションダイアログ にあります。 このダイアログはドッキング可能なダイアログなので、 必要なときにのみ呼び出すことも、 ドック上でタブ化して常設することもできます。 「現在選ばれているグラデーション」はグラデーションに係わる大部分の操作に使われるもので、 ツールボックスの ブラシ / パターン / グラデーション の区画でも表示されています。 このツールボックス上の標識をクリックしてもグラデーションダイアログを呼び出せます。
グラデーションを使った手短かな例を数点挙げます。 (より詳しくは ブレンドツール をご覧ください。)
選択範囲をグラデーションで塗るにはつぎのようにします。
グラデーションをひとつ選びます。
ブレンドツールで選択範囲内の 2 点間をクリックしてドラッグします。
ドラッグした距離に従いその向きに直交して色が分布します。
グラデーションで描画する方法について
動的特性のオプション に を指定すれば、 鉛筆、 絵筆、 エアブラシの各ツールでもグラデーションが使えます。 さらに 色のオプション で好みのグラデーションを選び、 フェードのオプション で「フェードの長さ」や「反復」のしかたを設定します。 「動的特性のオプション」 の節でさらに詳しくこれらのパラメーターについて解説しています。
下図は「鉛筆で描画」ツールでの使用例です。 必須の設定項目とその実行結果をご覧ください。
GIMP 2.6 以前の版の描画ツールにあった グラデーションで描画 オプションと同等の効果を得るには、 ツールプリセットダイアログ にて か か のいずれかの設定を利用します。
同一のグラデーションを使っても結果の違う例
GIMP のグラデーションについて知っておきたいちょっとした豆知識
グラデーションダイアログのリストの最初の 5 つは特別なグラデーションです。 これらは固定した色順ではなくツールボックスに示されている描画色と背景色を使います。 描画色から背景色 (HSV反時計回り) は選択された色相から色相環上を 360 度まで変転するところを示しています。 描画色から背景色 (HSV 時計回り) は選択された色相から色相環上を 0 度まで進むところを示しています。 描画色から背景色 (RGB) はツールボックスで表された描画色から背景色へのグラデーションを RGB 上で表現したものです。 描画色から背景色 (ハードエッジ) は描画色と背景色の 2 色のみで中間色のない塗り分けをします。 描画色から透明へ では選択された色相が徐々に透過していきます。 これらの色は色を変更するダイアログを通して変えられます。 要するにこれらのグラデーションは描画色と背景色を変えればその 2 色がどんな色でもその間を徐々に移り変わる内容で作成できるということです。
グラデーションは色の変化のみならず不透明度を変化させているものもあります。 同梱のグラデーションには全く透過しないものもいくつかありますが、 それ以外は透明もしくは半透明な部分が入っています。 完全不透明ではないグラデーションで塗りつぶしたり描画したりすれば、 その下側にあるレイヤーの内容が透けて見えることになるでしょう。
グラデーションエディター を使って 自作の グラデーションが作れます。 GIMP に添付されているグラデーションは変更ができませんが、 その複製をとるか新規に作成すればそれを編集できます。
GIMP に同梱のグラデーションファイルはシステム用の gradients
フォルダーに入っています。 初期設定では、 自作のグラデーションファイルは個人用の GIMP ディレクトリー内の gradients
フォルダーに入れられます。 グラデーションファイル (拡張子 .ggr
で終わる名前のファイル) はいずれもどちらかのフォルダー内に入っていて、 GIMP を起動すると自動的に読み込まれます。 この 2 つのディレクトリー以外のフォルダーでもグラデーションを検索させるには、 設定 ダイアログの左側の一覧から → をクリックして出てくるページでそのフォルダーを追加してください。
GIMP 2.2 から新たに SVG 形式のグラデーションファイルが読み込めるようになりました。 SVG 形式はベクター画像を扱う多くのプログラムで使われています。 GIMP に SVG 形式のグラデーションファイルを読み込ませる方法はただ単にそのファイルを個人用の GIMP ディレクトリー内の gradients
フォルダーか、 あるいは検索パスに登録した他のフォルダーに入れることだけです。
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面白い SVG 形式のグラデーションファイルが多数ウェブ上にありますが、 とくに OpenClipArt Gradients [OPENCLIPART-GRADIENT] を挙げておきましょう。 ただし SVG 形式の画像ファイルを表示できるブラウザーでないとどんなグラデーションの内容なのかが判らずにダウンロードすることになります。 |