10. グラデーション

図7.23 GIMP グラデーションの例

GIMP グラデーションの例

いろいろなグラデーションを上から順に: 描画色から背景色へ (RGB); Full saturation spectrum; Nauseating headache; Browns; Four bars


グラデーション とは漸進的に変化する直線的な配色順のことです。 グラデーションの最も基本的な利用法は、 グラデーションツールグラデーション塗りつぶしツールの異名がある ブレンドツール に依っています。 このツールはグラデーションから色を得て選択範囲を塗りつぶします。 選べるツールオプションがたくさんあって、 選択範囲の内側でグラデーションをどんな形状や規則で描くかを調整できるようになっています。 このツール以外にも以下のような重要なグラデーションの利用方法があります。

グラデーションを使った描画方法

GIMP の基本的な描画ツールはどれもグラデーションから色を採り塗色を変化させるオプションが使えます。 ブラシに始点から終点まで色が変化してゆく効果がつきます。

グラデーションマップフィルター

現在このフィルターは カラーマッピンググラデーションマップ に置かれています。 このフィルターは画素の強度を読みとって現在活性化しているグラデーションから相応の位置の色に置き換えるしくみで画像に着色が可能となりました。 (強度 0 は最も暗い色をさし、 グラデーションの左端の色で置き換えられます。 強度が増すにつれ徐々に異なる色が与えられ、 一番明るい色をさす強度 255 の画素はグラデーションの右端の色で置き換えられます。) より詳しくは 「グラデーションマップ」 をご覧ください。

GIMP をインストールすると、 結構な数の興味深いグラデーションがついてきますが、 新たに作成したり外部の配布元から取得してきてそれらに追加することもできます。 利用可能なグラデーションはすべて グラデーションダイアログ にあります。 このダイアログはドッキング可能なダイアログなので、 必要なときにのみ呼び出すことも、 ドック上でタブ化して常設することもできます。 現在選ばれているグラデーションはグラデーションに係わる大部分の操作に使われるもので、 ツールボックスの ブラシ / パターン / グラデーション の区画でも表示されています。 このツールボックス上の標識をクリックしてもグラデーションダイアログを呼び出せます。

グラデーションを使った手短かな例を数点挙げます。 (より詳しくは ブレンドツール をご覧ください。)

GIMP のグラデーションについて知っておきたいちょっとした豆知識

GIMP に同梱のグラデーションファイルはシステム用の gradients フォルダーに入っています。 初期設定では、 自作のグラデーションファイルは個人用の GIMP ディレクトリー内の gradients フォルダーに入れられます。 グラデーションファイル (拡張子 .ggr で終わる名前のファイル) はいずれもどちらかのフォルダー内に入っていて、 GIMP を起動すると自動的に読み込まれます。 この 2 つのディレクトリー以外のフォルダーでもグラデーションを検索させるには、 設定 ダイアログの左側の一覧から フォルダーグラデーション をクリックして出てくるページでそのフォルダーを追加してください。

GIMP 2.2 から新たに SVG 形式のグラデーションファイルが読み込めるようになりました。 SVG 形式はベクター画像を扱う多くのプログラムで使われています。 GIMPSVG 形式のグラデーションファイルを読み込ませる方法はただ単にそのファイルを個人用の GIMP ディレクトリー内の gradients フォルダーか、 あるいは検索パスに登録した他のフォルダーに入れることだけです。

[ティップ] ティップ

面白い SVG 形式のグラデーションファイルが多数ウェブ上にありますが、 とくに OpenClipArt Gradients [OPENCLIPART-GRADIENT] を挙げておきましょう。 ただし SVG 形式の画像ファイルを表示できるブラウザーでないとどんなグラデーションの内容なのかが判らずにダウンロードすることになります。