「ブラシ」ダイアログは描画ツールで使用するブラシを選ぶのに使われます。 ブラシについての情報とGIMPでの利用方法については ブラシ の節をご覧ください。 またこのダイアログはブラシを管理する機能をいくつか呼び出せるようにもなっています。 ブラシを拾うには一覧表でそのアイコンをクリックしてください。 掴んだブラシはツールボックスの「ブラシ/パターン/グラデーション」の区画でそのアイコンが表示されます。 GIMPには数十個の基本的ブラシと、 ブラシの多様性の幅を示すのが主な目的のへんてこなブラシが数個、 最初から付いてきます。 さらにはブラシエディタを使ったり画像をブラシ専用の特別なファイル形式で保存すればお手製のブラシも作れます。
「ブラシ」ダイアログはドッキング可能です。 その扱い方については 「ダイアログとその合体」 の節をご覧ください。
呼び出し方はつぎのとおりです。
ツールボックスの「ブラシ/パターン/グラデーション」の区画でブラシの標識をクリック
画像ウィンドウのメニューより
→ →任意のドッキング可能なダイアログのボタンアイコン をクリックすると出てくるタブメニューより
→あらゆる描画ツールのツールオプションダイアログにブラシアイコンボタンがあって、 これをクリックすればよく似た一覧表が現れて手早くブラシを選べるようになっています。 一覧表の下側の5つのボタンのうち右端のブラシのアイコンボタンをクリックすれば本物のブラシダイアログが開きます。
このウィンドウには5つのアイコンボタンがあります。 その意味はツールチップで明瞭に説明されています。
小さなプレビュー
大きなプレビュー
リストで表示
グリッドで表示
ブラシ選択ダイアログを開く
ちなみに環境設定によっては、 この飛び出し一覧表から選んだブラシは現在起用しているツールにのみ適用し、 他のツールで用いるブラシは変更しない設定も可能です。 より詳しくは 環境設定 ダイアログの「ツールオプション」のページをご覧ください。
タブメニューで 「並べて表示」を選ぶと一度にたくさんのブラシ見本が探せるように各ブラシアイコンは升目状に並べられます。 「一覧で表示」の場合はブラシ見本とその名前が一覧表に列挙されます。
と を切り替えられます。タブメニューの
サブメニューでダイアログに表示されるブラシ見本をお好みの大きさに調節できます。ダイアログの上部に現在選択されているブラシの名前と大きさ (ピクセル単位) が表示されます。
利用可能なブラシの見本が升目状に並べられていて、 現在選択されたブラシは枠線で囲まれます。
基本的には「並べて表示」と使い方に大差ありませんが、 次の点が異なります。
ブラシの名前はダブルクリックすると編集ができます。 ただし名前を変更できるのは自作のブラシや自前でインストールしたものに限られ、 GIMP同梱でインストールされたブラシは対象外です。 仮に同梱版のブラシの名前を変えてみれば確かに編集はできますが、 確定しようとして Enter キーを押したりどこか他のところをクリックするとたちまち名前は元に戻されてしまいます。 GIMPと同時にインストールされるブラシ、 パターン、 グラデーションなどの資源については原則として変更不可です。 変更できるのは自作のものや自前のものだけです。
ヒント | |
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キーボードショートカット Ctrl+F で検索窓が現れます。 一覧表ダイアログの検索窓 をご覧ください。 |
ブラシの見本をクリックするとそのブラシが現在のブラシに選ばれ、 ツールボックスのブラシの標識や描画ツールのブラシオプションはそのブラシに替わります。 ブラシの見本をダブルクリックすると (後述の) ブラシエディタ が起用されます。 ブラシダイアログの底部に並ぶアイコンボタンにはさまざまなはたらきがあります。
各ブラシ見本の右下についている小さな印の意味はつぎのとおりです。
右下に青い三角がついたブラシは見本と同じ大きさです。 複製できます。
右下の十字は見本が縮小されたものであることを表しています。 見本をクリックしたまま待つと一時的に本来の大きさで表示されます。
右下に赤い三角がついたブラシはアニメーションするブラシです。 見本をクリックしたまま待つとブラシが動画表示されます。
ダイアログの底部にはスライダと5つのアイコンボタンがあります。
マウスポインタがなぞった線上に並ぶブラシの刻印の互いの間隔をこのスライダで調節します。 間隔の値はブラシの幅の百分率で表し、 1 から 200 の範囲で指定してください。
このボタンは (後述する) ブラシエディタ を呼び出します。 どんなブラシを選んでいてもブラシエディタを開けますが、 媒介変数つきブラシだけしか扱えないため、 他の種類のブラシを開いたときは「読み込み専用」と表示されて何も変更できません。
このボタンをクリックすると新しい媒介変数つきブラシが境界にぼかしが入った丸い形に作られ、 これを編集できるようブラシエディタが開かれます。 この新しいブラシは自動的に個人用GIMP ディレクトリ内の brushes
フォルダに保存されます。
このボタンは現在選ばれているブラシが媒介変数つきであるときのみ利用できます。 ブラシの複製をとるとブラシエディタが開かれてその複製の加工ができるようになっています。 作成が済むと自動的にそのブラシファイルは個人用GIMPディレクトリの brushes
フォルダに保存されます。
現在選ばれているブラシを削除できる権限をお持ちでしたら、 このボタンをクリックすればダイアログ上のみならず保存されていたブラシファイルまで跡形もなく消し去れます。 実行に移すまえに確認が求められます。
ブラシエディタで作成されたブラシファイルが自動的に保存される個人用GIMPディレクトリの brushes
フォルダをはじめ、 ブラシ検索パスに登録されたフォルダに何かブラシファイルを新たに収めたら、 このボタンをクリックすればダイアログの一覧表は読み込み直され、 新しく追加されたブラシがダイアログで利用できるようになります。
以上5つのボタンでできる機能は、 ブラシダイアログの一覧表 (升目並びと名前表示つき列挙のいずれも) 内の標的のブラシをマウスの
でクリックすると出てくるポップアップメニューや、 ダイアログのタブメニューの サブメニューからも呼び出せます。
ダイアログのブラシ一覧表上をマウスの
でクリックすると脈絡メニューが出てきます。 このメニューには楕円形や矩形のブラシが作成できるオプションも並んでいます。 これらのブラシには、 ぼかし効果が加えられたものもありますがいずれも媒介変数つきではありません。その他のメニュー項目はそのほとんどがアイコンボタンの説明で述べたものばかりですが、
はまだでした。 これはブラシのパス (保管場所までの位置名) をクリップボードに書き出します。 直後に画像ウィンドウのメニューより → と進んでブラシを画像として開く使い方があります。ブラシエディタではGIMPとともに提供されたブラシの媒介変数を見られるほか (ただし変更はできない)、 円形、 正方形、 菱形のような幾何学図形をもとにブラシの自作ができます。 このエディタの各部品を順に見てゆきましょう。
ダイアログバー: どんなダイアログウィンドウにも共通するタブメニューボタンがあります。 ブラシ編集の脈絡メニューは の1項目だけです。 これを無効にしているなら、 ブラシエディタに読み込まれるブラシを切り替えるには目的のブラシを選択してからブラシダイアログの「ブラシを編集」のアイコンボタンをクリックしてください。
ブラシの名称欄: ブラシの名前が表示されており編集できます。
ブラシのプレビュー領域: ブラシの諸元を調整するたび即座にその変更が反映されます。
円形、 正方形、 菱形があります。 この原型をこのあとのオプションで調整してゆきます。
ブラシの中心から外縁までの横方向の距離です。 仮に半径が 10 ピクセルとすれば形状が正方形ならその各辺は 20 ピクセルです。 半径が 5 ピクセルとした菱形ならその各辺はおよそ 7 ピクセルになります。
この数は正方形と菱形に対してのみ効果があります。 正方形の場合は数を増やすと形状の角が増え多角形になります。 菱形の場合は星型です。
この値はブラシの境界のぼかし具合を制御します。 最大値 1.00 にするとぼかしはありません。 値のとれる範囲は 0.00 から 1.00 です。
この値はブラシの幅と高さの比を制御します。 例えば菱形で半径 5 ピクセル縦横比 2.0 とすれば、 幅 10 ピクセル高さ 5 ピクセルの扁平なブラシができます。 値のとれる範囲は 1.0 から 20.0 です。
角度とは水平方向とブラシの幅の方向との反時計回りの角度を表しています。 ブラシの幅の方向は標準的には水平方向なのでこの値は 0°です。 この値を増すにつれブラシは反時計回りに傾きます。 値のとれる範囲は 0°から 180°です。
ブラシは線を描くとき実際はそのブラシの刻印を線上に並べます。 ブラシの刻印がよく重なって密着しておれば均質な線の印象が得られます。 その場合の間隔は 1.00 です。 値のとれる範囲は 1.00 から 200.0 です。
画像の選択範囲や全体像を取り込んだり切り取ったりすると、 その写しが「ブラシ」ダイアログの左上の区画に新たなブラシとして現れます。 このブラシは再び何かの画像や選択範囲を取り込むまでその内容が保たれます。 GIMPを終了すると消えます。
注記 | |
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こうしてできたクリップボードブラシは「ブラシ」ダイアログに現れたときにすぐさま → → とすれば保存できます。 (「クリップボードから生成 → 新しいブラシ...」 もご覧ください。) |