2.3. パスダイアログ

パスについての初歩からの解説が パス にあります。

図15.14 パスダイアログ

パスダイアログ

パスダイアログは、 パスを作成、 削除、 保存するほか、 選択範囲と相互に変換するなどの管理作業に使います。

2.3.1. ダイアログの呼び出し方

パスダイアログはドッキング可能です。 その扱い方については 「ダイアログとその合体」 の節をご覧ください。

呼び出し方はつぎのとおりです。

  • 画像ウィンドウのメニューより ウィンドウドッキング可能なダイアログパス

  • 任意のドッキング可能なダイアログのボタンアイコン をクリックすると出てくるタブメニューより タブの追加パス

ダイアログが少なくともひとつ開かれておれば、 ウィンドウ メニューに 切り放したウィンドウ のリストが現れます。 このときは画像メニューより ウィンドウパス と進めばパスダイアログを浮かび上がらせられます。

2.3.2. パスダイアログの利用法

パスはそれぞれが一枚の画像に属します。 パスはレイヤーと同じく画像の一部なのです。 パスダイアログは現在活性化している画像に属しているパスの一覧表を示します。 別の画像に移ればダイアログの一覧表も別のものに替わります。 パスダイアログがレイヤー, チャンネル, パスドックに入っていたなら、 現在活性化している画像の名前がドックの上部にある画像メニューに表示されているのが見えるでしょう。 (もし無ければ、 タブメニューで 画像選択ボックスの表示 を指示すれば画像メニューをドックに付けられます。)

もしレイヤーダイアログの扱いに慣れていらっしゃるのなら、 パスダイアログはレイヤーダイアログに似ているところがありますので出だしから有利です。 一覧表には画像上にあるすべてのパスが個々につぎのような 4 つの指標を伴って並んでいます。

パスの可視度

開いた目のアイコンはパスが可視化されているときに現れ、 不可視の場合はその欄が空白になります。 可視とはパスをなぞる線が画像ウィンドウ上に表示されていることをさします。 パスはその境界線を描画するなどの塗色をしなければ、 実際のところ画像の画素データとしては現れません。 目の印の欄をクリックすればパスの可視性が切り替わります。

パスの連結

の印はパスが組み合わせ変形対象になっているときに目の印の欄の右隣に現れ、 個別に変形できるときは消えています。 組み合わせ変形対象とはレイヤーやチャンネルなどの描画対象からなるひとつのまとまりに加わることをさしており、 そのいずれかが拡大・縮小や回転などの変形を受けると連結された他の描画対象がすべて同時に変形されるしくみです。 鎖の印の欄をクリックすればパスの組み合わせ変形の状態が切り替わります。

縮小見本画像

小さなプレビューアイコンがパスの素描を表示しています。 そのアイコンをクリックして画像上までドラッグすると、 画像にこのパスの複製が加わります。

パス名

パスの名前はその画像内で重複があってはいけません。 名前欄をダブルクリックすると編集ができるようになります。 既に使われている名前をつけたときは名前の唯一性を確保するため名前のあとにコピーの語句が付け加えられ、 さらに同じ名前を与えるとこんどは#1のような番号が振られます。

一覧表が空でなければ、 その中のどれかひとつのパスが必ず画像の 活性パス とされ、 ダイアログのメニューや下側に並ぶボタンを通じて行なうあらゆる操作の対象となります。 活性パスは一覧表で強調表示されます。 パスの一覧表のひとつをクリックすればそれが活性パスになります。

一覧表のいずれの項目もマウスの 第2ボタン でクリックすると、 後述する パスメニュー が出てきます。 またダイアログのタブメニューからもこのメニューを呼び出せます。

2.3.3. アイコンボタン

パスダイアログの底部にあるボタンはすべてパスメニュー (一覧表のいずれかの項目を 第2ボタン クリックして起用) の項目にも同じコマンドがありますが、 修飾キーを押しながらクリックすれば拡張オプションが扱えるボタンもいくつかあります。

新しいパスを画像に追加

後述するパスメニューの 新しいパス... をご覧ください。 Shift キーを押しながらクリックすると、 新しく作成される (空の) パスの名前を設定するダイアログが同時に開きます。

パスを前面へ

後述するパスメニューの パスを前面ヘ をご覧ください。

パスを背面へ

同じく パスを背面ヘ をご覧ください。

パスの複製

後述するパスメニューの パスの複製 をご覧ください。

パスを選択範囲に

パスを選択範囲に変換します。 詳細は パスを選択範囲に をご覧ください。 修飾キーを使うと既存の選択範囲と掛け合わせた新たな選択範囲の作成を制御できます。

修飾キー 動作
なし 既存の選択範囲に置き換わります
Shift 選択範囲を追加します
Ctrl 選択範囲から除外します
Shift+Ctrl 重なりを選択範囲にします
選択範囲をパスに

Shift キーを押しながらクリックすると高度なオプションが並ぶ選択領域からパスの詳細設定ダイアログが出てきますが、 おそらく GIMP 開発者にしか役立たないものでしょう。

パスに沿って描画

パスの境界線を描画... をご覧ください。

パスの削除

現在活性化しているパスを削除します。

2.3.4. パスの脈絡メニュー

図15.15 パスの脈絡メニュー

パスの脈絡メニュー

パスメニューを開くにはパスダイアログのパス一覧表の項目上をマウスで 第2ボタン クリックするか、 パスダイアログのタブメニューの最初の項目 (パスメニュー) を辿ります。 このメニューでパスに関わる操作の大部分が行えます。

パスのツール

パスのツールパスツール を起用するもうひとつの方法です。 パスツールはパスを作成し操作するために使います。 もちろんツールボックスのツールアイコンやキーボードショートカット B (これはベジエ Bézier から来ている) を使っても呼び出せます。

パス名の変更...

パス名の変更... はパスの名前を変更できる小さなダイアログを呼び出します。 パス名の変更はパスダイアログの一覧表内のパス名をダブルクリックしてもできます。

新しいパスを画像に追加

新しいパス... は一面の新たなパスを作成し、 パスダイアログの一覧表にその項目を加え、 その画像においての活性パスにします。 また新しいパスの名前を与えるためのダイアログを開きます。 新しいパスにはまだアンカーポイントがひとつも置かれていないので、 何をするにしてもまずはパスツールを使ってパスを作成するところから始める必要があります。

パスを前面へ

パスを前面へ によりパスダイアログの一覧表上でパスの項目を一段上に移動できます。 パスは一覧表のどの位置にあっても機能上の変化はありませんので、 これは単に内容を整理しておくための方便に過ぎません。

パスを背面へ

パスを背面へ によりパスダイアログの一覧表上でパスの項目を一段下に移動できます。 パスは一覧表のどの位置にあっても機能上の変化はありませんので、 これは単に内容を整理しておくための方便に過ぎません。

パスの複製

パスの複製 は活性パスのコピーを作成し、 [元のパスの名前を利用しつつも]重複しない名前を与え、 パスダイアログの一覧表に加え、 その画像においての活性パスにします。 元のパスが可視化されている場合に限りそのパスも最初から可視となります。

パスの削除

現在活性化しているパスを削除します。

可視パスの統合

可視パスの統合 はその画像にあるパスのすべての可視パス (すなわちパスダイアログで開いた目 の印がついているものすべて) の成分を一面のパスの成分としてまとめます。 これはパスの境界線を同じ方法で描画するという場合などに便利な機能です。

パスを選択範囲に; 選択範囲に加える; 選択範囲から引く; 選択範囲との交わり

これらのコマンドはどれも活性パスを選択範囲に変換して、 その指示どおりに既存の選択範囲と合成します。 ( パスを選択範囲に だけは既存の選択範囲を破棄してからパスより生成された選択範囲に置き換えます。) パスの閉じていない成分は必要に応じてその始点アンカーと終点アンカーを直線で結んで閉じられます。 できあがった選択範囲の蟻の行進はできる限りぴたりとパス上に沿うはずですが、 完璧な一致は期待できません。

選択範囲をパスに

この操作コマンドの呼び出し方はいろいろあります。

  • 画像ウィンドウのメニューより 選択選択範囲をパスに

  • パスダイアログのメニューより 選択範囲をパスに

  • パスダイアログの底部にある 「選択範囲をパスに変換」 アイコンボタン

選択範囲をパスに は画像上の選択範囲から新たなパスを作成します。 出来上がったパスは大抵が選択範囲の蟻の行進に沿ってひかれますが、 常に完全一致をするものではありません。

もともと 2 次元の選択マスクを 1 次元のパスに変換するわけですから、 その算出方法には奇策がいくつか含まれることになります。 これら高度なオプションはパスダイアログの底部にある 「選択範囲をパスに変換」 アイコンボタンを、 Shift キーを押しながらクリックすると開かれる 選択領域からパスの詳細設定ダイアログ」 で設定できます。 ただしそのオプションや変数は 20 個もあり、 いずれも暗号めいた名前が[英語のまま]つけられています。 実のところこれらの高度なオプションは開発者のために設けられたものなので、 それらの詳細に立ち入ることはこの文書の持ち場の範囲を越えています。 通例 選択範囲をパスに はそのままでも期待どおりの成果を挙げてくれますし、 その処理過程は (強いて意識するつもりがなければ) 気にする必要はないと言えます。

パスの境界線を描画

この操作コマンドの呼び出し方はいろいろあります。

  • 画像ウィンドウのメニューから 編集パスの境界線を描画...

  • パスダイアログのメニューから パスの境界線を描画...

  • パスダイアログの底部にある 「パスの境界線を描画」 アイコンボタン

  • パスツールのツールオプションにある パスの境界線を描画 ボタン

パスの境界線を描画とは画像の活性レイヤーに活性パスの線上に沿って多彩な描線形状をさまざまなオプション変化を伴って塗色する機能です。 さらなる情報が パスの境界線を描画 の節にあります。

パスのコピー

パスのコピー は活性パスをパス用クリップボードに取り込み、 他の画像に貼り付けられるようにするためにあります。

[ティップ] ティップ

パスダイアログの縮小見本画像をクリックして他の画像までドラッグして放ってもパスを転写できます。

[注記] 注記

パスを画像に貼り付けた時点ではパスは不可視です。 見えるようにするにはパスダイアログで可視化してください。

パスの貼り付け

パスの貼り付け はパス用クリップボードの内容から新たなパスを作成し、 パスダイアログの一覧表にそのパスを追加し、 その画像においての活性パスにします。 もしまだパス用クリップボードに何も取り込まれていないときは、 このメニューは一切何もしません。

パスをインポート...

パスをインポート...SVG ファイルを基にパスを新たに作成します。 このメニューを呼びだすとファイルを選択するダイアログが開かれますので、 ここで読み込まれるファイルを探し出して指定してください。 パス の節で SVG ファイル形式の情報と GIMP パスとの関係について述べていますのでご覧ください。

パスをエクスポート...

パスをエクスポート... でパスをファイルに保存できます。 このコマンドを呼びだすとファイルを選択するダイアログが開かれますので、 保存するファイルの名前と保管場所を指定してください。 またこのパスは パスをインポート... コマンドを使えばあとから GIMP 画像に取り込むことも可能です。 パスを保存するファイル形式は SVG です。 これはつまりこうしておけば保存したパスが SodipodiInkscape のようなベクター画像プログラムに読み込んで使えるのです。 パス の節で SVG ファイル形式の情報と GIMP パスとの関係について述べていますのでご覧ください。