16.2. 3D アウトライン...

16.2.1. 概観

図16.339 3D アウトラインフィルタの使用例

「3D アウトライン」フィルタの使用例

3D アウトラインフィルタ

「3D アウトライン」フィルタの使用例

3D アウトラインロゴ


このフィルタは縁取りつき文字とドロップシャドウからなるロゴ文字 (上図参照) を作成する3D アウトラインスクリプトから派生しました。 ロゴスクリプトは画像ウィンドウのメニューの ファイル画像の作成ロゴ3D アウトライン... にあります。

3D アウトライン... フィルタは活性レイヤーの半透明や不透明な部分の輪郭をアルファチャンネルより読み取り、 パターンで縁取ってドロップシャドウを付けます。 以下の説明ではアルファ域を活性レイヤーの半透明や不透明な部分を指す用語として扱います。

このフィルタはアルファ域の輪郭を抽出するために ソーベル輪郭抽出 を利用します。 すると例えばまっさらの矩形の選択範囲のような単純なアルファ域であれば単なる境界線がとれることでしょう。 しかしつぎの例のようにレイヤーマスクを使った場合は (そしてもちろんレイヤーマスクの適用をお忘れなく)、 輪郭はもっといろいろ抽出されるはずですし、 ひいてはその輪郭のどれにもフィルタの効果が施されます。

図16.340 色が複数あるレイヤーマスクの使用例

色が複数あるレイヤーマスクの使用例

このようなレイヤーマスク (アルファ域) があると、

色が複数あるレイヤーマスクの使用例

このような結果になる。


[警告] 警告

画像は常に活性レイヤーの寸法と同じ大きさに変更されます。

16.2.2. フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより フィルタロゴ効果3D アウトライン...

このフィルタは活性レイヤーにアルファチャンネルがある場合に作動し、 なければメニュー項目が灰色無効となって使用できません。

16.2.3. オプション

図16.341 3D アウトラインのオプション

「3D アウトライン」のオプション

パターン

ここには現在選択されているパターンが表示されています。 パターン見本はクリックすると大きく表示されます。 参照... ボタンをクリックするとパターンの選択 (Script-Fu)ダイアログが現れ、 別のパターンに変更できます。

輪郭ぼかし半径

この半径はパターンで埋め尽くされる領域を 輪郭抽出 により選択する前にアルファ域を ぼかす ために使います。 そのためここに大きな値を指定するとつぎの図のように適用範囲は広くなる反面でパターンがぼやけます。

図16.342 輪郭ぼかし半径の例

輪郭ぼかし半径の例

ぼかし半径 = 5

輪郭ぼかし半径の例

ぼかし半径 = 20

輪郭ぼかし半径の例

ぼかし半径 = 40


影ぼかし半径

この半径はドロップシャドウを ぼかす ために使います。 値を高くすると影がぼやけます。

図16.343 影ぼかし半径の例

影ぼかし半径の例

ぼかし半径 = 10

影ぼかし半径の例

ぼかし半径 = 20

影ぼかし半径の例

ぼかし半径 = 40


バンプマップ (アルファレイヤーの) ぼかし半径

立体効果を生む バンプマップ には活性レイヤー (アルファレイヤー) に 輪郭抽出 フィルタを適用したものを用います。 さらにパターン用レイヤーにエンボス加工を施しますが、 その前にこのぼかし半径で ガウスぼかし がかけられます。 そのためここに高い値を設定すると立体効果が薄れます。

標準のバンプマップ設定

このオプションを既定どおり有効にするとバンプマッププラグインは初期設定値で適用されます。 無効の場合はフィルタを実行中に バンプマップ ダイアログが開かれ、 任意にオプションの設定ができます。 ただしこのダイアログを キャンセル ボタンで閉じた場合は一切バンプマップ処理が行なわれません。

影 X オフセット; 影 Y オフセット

影が描かれたレイヤーは右下方向にずらされます。 この値はピクセル単位で右方向 X と下方向 Y の移動距離を定めます。 移動したあと影のレイヤーは画像からはみ出した部分が切り取られます。 元から実際の背景レイヤーがないので移動あとには透過部分が残されます。

図16.344 影オフセットの例

影オフセットの例

影 X オフセット = 50; 影 Y オフセット = 20