12.2. バンプマップ...

12.2.1. 概観

図16.241 バンプマップの使用例

「バンプマップ」の使用例

左図は起伏をつける前の対象画像。 中央はバンプマップ。 黒いところほど掘り下げ白いところほど盛り上げることを意図するグレースケール画像である。 右図はバンプマップ後の対象画像。 フィルタは陰だけでなく影もつけている。


バンプマップ... フィルタはある画像をカードに見立ててエンボス加工 (起伏をつけること) し、 他の画像に貼り付けることで立体感の効果を生み出します。 起伏の高さは画素の光度で決められ、 光の射す向きは調整可能です。 エンボス加工については エンボス フィルタのところで詳しく解説しています。 画像の種類にエンボスフィルタのような制限はなく、 どんな形式でもバンプマップ化して利用できます。

12.2.2. フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより フィルタマップバンプマップ...

12.2.3. オプション

図16.242 バンプマップフィルタのオプション

「バンプマップ」フィルタのオプション

プレビュー

プレビュー オプションを有効にしておれば画像に実際にフィルタをかける前からダイアログ上で調節したとおりに即座に効果のようすが見て分かるようになっています。

バンプマップ...

バンプマップ 引き出しリストからバンプマップ化して利用できるレイヤーを選んでください。 ここに並ぶ画像はこのフィルタを呼び出した時点でGIMPが画面上に開いている画像だけです。 フィルタを呼び出したあとで開いた画像はこのリストに現れません。

マップの種類

このオプションではマップ化画像を生成する過程で使われる処理方法をつぎのなかから選べます。

  • 線形: 起伏の高さは光度と一次関数的な比例関係になります。

  • 波状: 起伏の高さは光度と正弦関数的な関係になります。

  • 球面: 起伏の高さは光度と円の関数的な関係になります。

暗くならない様に補正する

バンプマップ処理は画像を暗くしがちです。 このオプションを有効にすればそのような暗化を補正できます。

反転バンプマップ

既定なら明るい画素は盛り上げを、 暗い画素は掘り下げを意味します。 このオプションはその効果を逆転します。

タイルバンプマップ

このオプションを有効にすると画像がウェブページなどで反復連続で表示できるよう浮き彫りの断絶をなくします。 画像の縁の起伏は反対側の辺とつながるようにつけられ、 並べても継ぎ目が目立ちません。

方向

このスライダで光の射してくる方角を 0.00° (右-東から) から 360.00° (同) まで反時計回りの範囲で設定できます。

持ち上げ

このスライダで光の射角を 0.50° (水平線上) から 90.00° (天頂) までの範囲で指定できます。

深度

このスライダで起伏の底部と頂部の高度差を設定できます。 値を高くすれば起伏は大きくなります。 値の範囲は 1 から 65 までです。

X オフセット; Y オフセット

これらのスライダで対象画像からマップ化画像への相対位置を水平方向(右に正) に X オフセット で、 垂直方向 (下に正) に Y オフセット で設定できます。

水位

マップ化しておく画像に透過部分があると、 その部分は黒いと見做されバンプマップ処理では掘り下げられることになります。 このスライダはその穴にあたかも水を張ったかのように嵩上げします。 水位を最高の255 に引き上げると穴は完全に消えます。 反転バンプマップ オプションを有効にしている場合は透過部分が明るい領域と見做され、 水位の値はその峰を切り下げる役目になります。

飽和度

このスライダは包み込むような光の強さを調節します。 高い値をとると影が薄れ浮き彫りは減ります。