5.7. パスと SVG ファイル

Scalable Vector Graphics—略して SVG は、 近年人気の高まってきた ベクター画像 のファイル形式であり、 解像度に依存しない形式で画素が表現される特徴があります。 この形式と対照的なのが ラスター画像 であり、 整列したピクセルで画素が表現されています。 GIMP はラスター画像を主体にしたプログラムですが、 パスはベクター成分です。

幸いにもパスは SVG ファイル中でも GIMP 上でもほぼ同じ形態で表現されています。 (現在は何も将来的な変更予定がありません。 GIMP 2.0 を契機にパス関連の書き直しが SVG パスを意識して行なわれたためです。) 互換性があることから、 GIMP のパスの情報を何ら損失することなく SVG ファイルへ保存することが可能です。 パスダイアログの脈絡メニューからこの機能が使えます。

SVG ファイルを保存できるプログラムには、 InkscapeSodipodi というベクター画像を扱う 2 つのオープンソースプログラム等がありますが、 もちろん GIMP はこれらによって保存された SVG ファイルからパスを読み込めます。 こういったプログラムには GIMP よりずっと強力なパス操作ツールが備わっていますから、 この連携はうれしいものです。 SVG ファイルからのパスのインポートはパスダイアログの脈絡メニューにあります。

SVG 形式はパスにとどまらず様々な多くの画像要素を扱えます。 中には正方形や長方形、 円と楕円、 一般的な多角形などがあって、 GIMP はこれらを成分として扱うことは一切できませんが、 パスとしては読み込めます。

[注記] 注記

GIMP ができる SVG ファイルの読み込み方はパスの作成だけではありません。 普段通り画像ファイルとして SVG ファイルを GIMP に読み込ませることも可能です。