GIMP は画面上のダイアログを極めて柔軟に配置できます。 ダイアログは移動可能なウィンドウの一種であり、 ツールのオプションが並んでいるウィンドウ、 あるいはある特定の作業の専用ウィンドウのことをそう呼びます。 ドックとは、 ツールオプションダイアログやブラシダイアログやパレットダイアログ等の常設ダイアログを重ねあわせて保持する容器ウィンドウのことです。 ただし設定ダイアログや画像ウィンドウのような非常設ダイアログは入れられません。
GIMP は初期状態で 3 種類のドックが現れます。
左のパネルではツールボックスの下にツールオプションが連結 (ドッキング)
右のパネル上半分はレイヤー, チャンネル, パス, 作業履歴のドック
右のパネル下半分はブラシ, パターン, グラデーションのドック
いずれのドックでもダイアログがタブ化されています。
マルチウィンドウモードの場合、 ツールボックスは 補助ウィンドウ です。 ドックではありません。 シングルウィンドウモードの場合、 ツールボックスはウィンドウの中の一部となります。
ドッキング可能なウィンドウの一覧表は
→ のサブメニューにあります。 この一覧表でダイアログを選ぶとそのダイアログが現れます。 既にどれかのドックにそのダイアログが入っていた場合は隠れたダイアログならば表に見えるように出てきます。 まだそのダイアログが開かれていなかった場合の挙動については、 ウィンドウモードが複数ウィンドウのときと単一ウィンドウのときとでつぎのように異なった反応を見せます。タブはクリックしたままドラッグできます。 そのまま任意のドックまで曳いてきて、
ドックのタブバーが色を換えて反応する位置で放つとそこのダイアログ群に統合されます。
ドックの 4 辺のいずれかが (図では青い線に色を換えて) ドッキングバーを顕して反応する位置で放つと、 ダイアログはドックに接合します。
マルチウィンドウモードであればダイアログのタイトルをクリックしたままドラッグすれば任意の位置へ移動できます。
単純な方法ですが、 タブメニュー 「タブメニュー」 の コマンドも使えます。
ティップ | |
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Press the Tab key in an Image window to toggle the visibility of the docks. This is useful if the docks hide a portion of the image Window. You can quickly hide all the docks, do your work, then display all the docs again. Pressing the Tab key inside a dock to navigate through the dock. |
ダイアログにはいずれもタブメニューボタンがあって、 これを押すとそのタブに関連した操作ができるようになっています。 上図はこの部分を強調しています。 厳密にいえばメニューに含まれるコマンドの現われ方はその属するダイアログによって異なりますが、 いずれも新規タブの生成および消去と分離の指示が含まれます。
タブメニューで提供されるコマンドは次のとおり。
タブメニューの最初の項目はダイアログの機能に関連のある項目をまとめた脈絡メニューです。 たとえば、 レイヤータブの脈絡メニュー
にはレイヤーを操作する項目が揃っています。はドック入りが可能なダイアログを一覧にまとめたサブメニューを開き、 ここで選んだダイアログはタブ化して追加されます。
ダイアログを閉じます。 最後の一つのダイアログを閉じたときはドックも閉じます。
この項目はダイアログをドックから切り離し、 そのダイアログだけが入った新たなドックをつくります。 このメニュー項目はタブをクリックしてドックの及ばないところまでドラッグで曳き出すのと同じ効果があります。
新しいドックウィンドウをつくるといいましたが、 シングルウィンドウモードの場合は厳密に言えば新しいドック区画の作成となります。
タブが ロック されるとこのメニュー項目は灰色無効になり使用できません。
ダイアログの移動や切り放しを禁じます。 これが有効なときは
メニュー項目を灰色無効にして使用できなくします。大多数のダイアログはそのタブメニューに
の項目があり、 このサブメニューはダイアログ内で扱われる絵や図形の大きさを選べるリストになっています (上図参照)。 たとえば、 ブラシダイアログには利用できるたくさんのブラシが絵で表されていますが、 プレビューサイズとはこういった絵の大きさのことを指しています。 初期設定値は です。複数のダイアログが同じドックに入っているときにこの項目がサブメニューとして現れます。 ここでタブの爪の姿を選択できます (上図参照)。 5 つの選択肢がありますが、 そのすべてがどんなダイアログにでも適用できるのではありません。
ダイアログの種類を表すアイコンのみを表示します。
現在の状態 はブラシやパターンやグラデーションのような画材を選ぶダイアログに対してのみ有効です。 選ばれた画材がタブの爪に表示されます。
ダイアログの種類をタブの爪に文字で表わします。
アイコンと文字の両方で表示しますのでタブの爪が横長になります。
これは現在選択されている画材を示すアイコンと、 ダイアログの種類を表す文字とを表示します。
この二つの項目が現れるダイアログは、 ブラシやパターンやフォントなど、 一揃いからひとつの細目を選択する一覧表があるダイアログです。 細目とその名前の組を縦排列に並べるか、 名前を省き細目を升目状に並べるかを選べます。 それぞれに利点があり、 縦排列にすればその名前まで詳しくわかりますが、 升目状ならば一度により多くの選択肢を見て選べます。 初期設定は一律にしませんでした。 ブラシやパターンのダイアログは升目状に、 それ以外のほとんどのダイアログは縦排列にしてあります。
「タグづけ」 でご覧ください。
を選択しているときはタグが利用できます。 使い方はリストの検索窓も利用できます。
この検索窓は何も操作がない時間が 5 秒を過ぎると自動的に閉じます。
注記 | |
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いろいろなツールのダイアログ上の「ブラシ」、 「フォント」、 「パターン」を選ぶオプションの一覧表で検索窓を呼び出せるショートカットが利用できます。 |
ダイアログのいくつかはその底部にボタンバーが表示できるようになっています。 たとえばパターン、 ブラシ、 グラデーションのダイアログにあります。 これは切り替え式になっていて、 チェックが入っている場合にボタンバーが表示されます。
このオプションはマルチウィンドウモードでのみ現れます。 これは二者択一です。 チェックを入れているときは、 画像メニューがドックの上部に置かれます。
ただしツールボックス下に合体したダイアログ上では指定できません。 このオプションは画面に複数の画像を開いている場合にだけ意味があります。
このオプションはマルチウィンドウモードでのみ現れます。 このオプションも画面に複数の画像を開いている場合にだけ意味があります。 このときには画像選択メニューに表示されている画像とドック内の各ダイアログが表示している画像が常に同一です。 もし仮に
を無効にしていたときは、 画像を選択できるのは画像選択メニューだけになります。 もし有効ならば、 画像を直接活性化 (つまり画像ウィンドウのタイトルバーをクリック) しても画像を選択できます。