GIMP のユーザーインターフェースはマルチウィンドウモード (初期設定) とシングルウィンドウモードの 2 通りから選べるようになりました。 シングルウィンドウモードに切り替えるには画像ウィンドウのメニューより
→ を指定します。 ただしこのモードのまま GIMP を終了すれば、 次回も GIMP はシングルウィンドウモードで起動します。シングルウィンドウモードのときはウィンドウが増えません。 新たに開いた画像もダイアログもタブ化されて追加されます。 シングルウィンドウモード をご覧ください。
開く画像を指定せずに GIMP を起動したとき、 シングルウィンドウモードでは画像ウィンドウが無い状態で開始しますが、 マルチウィンドウモードの場合はたとえ 1 枚も画像を開いていない状態でも画像ウィンドウが必ず 1 枚開かれます。
それでは一般的な画像ウィンドウについてその各部分の説明を手短にすすめてゆきましょう。 画像ウィンドウの部品のいくつかは画像ウィンドウの 表示 メニューのコマンドで隠せます。
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シングル ウィンドウモードの場合に厳密には画像ウィンドウに代わって画像の表示を画像表示領域が担います。 したがってこのあとの説明で「画像ウィンドウ」と書いたところは「画像表示領域」と読み替えてください。 同様に「画像ウィンドウのメニュー」は「本体のメニュー」のことを指しています。 |
タイトルバー: 画像のない画像ウィンドウのタイトルは「GIMP (GNU Image Manipulation Program)」となります。 画像が表示されているウィンドウではタイトルバーに画像の名前と画像の特徴を示した情報が 設定 ダイアログの「画像ウィンドウのタイトルとステータスバー」のページで設定されたとおりの形式で表示されます。 タイトルバーの表示自体は GIMP でなくウィンドウシステムが担っているので、 使用するオペレーティングシステムとウィンドウマネージャー、 あるいはまたテーマ設定によってもかなり見た目が違ってきます。 たとえば、 [原文筆者が使用している] Linux 系システムでは画像ウィンドウのタイトルバー上のとあるボタンをクリックすると仮想多重デスクトップのどの画面に切り替えても常にこのウィンドウが現れるようになります。 このボタンはツールボックスウィンドウやレイヤーダイアログウィンドウのタイトルバーにもあります。
XCF 以外の形式の画像ファイルを開いた場合は、 タイトルバー表示 (インポートされた画像) が示すとおり画像が .xcf
化され、 元のファイル名は画像ウィンドウの底部にあるステータスバーに表示されます。
画像に未保存の変更があるとき、 タイトル表示の先頭にアスタリスク記号「*」がつきます。
メニューバー: タイトルバーの真下にあるのがメニューバーです (隠せます)。 画像ウィンドウのメニューには画像に対して行なうほとんどすべての操作が並んでいます。 メニューは画像の上を右クリック ( クリック) [3] しても、 あるいはウィンドウの左上隅の小さな「メニューボタン」 (3) をクリックしても呼びだせるようになっています (メニューボタンについてはすぐ後で説明します)。 メニューの数多くのコマンドはキーボードショートカットに関連づけられていて、 あればメニュー項目の右側にも表示されます。 メニューの項目に独自のショートカットを割り当てるには 設定 ダイアログの「ユーザーインターフェース」のページで 動的キーボードショートカットを使用する を有効にします。
メニューボタン: メニューボタンをクリックすると、 画像メニューが縦に並んで出てきます。 キーボードショートカットを好まれるなら Shift+F10 を使えばこのメニューが呼び出せます 。
定規: 初期設定での配置では左辺および上辺に定規があります。 画像上の座標を測るときにご利用ください。 初期設定ではピクセルを単位としていますが、 単位を変えるには後で述べる単位設定のところで行います。
定規には ガイド (見当線) をつくるというとても重要なはたらきがあります。 定規をクリックしたまま画像上にドラッグしてゆくとガイドが作成できます。 ガイドをたよりに画像内の物体を正確に位置決めしやすくなります。 また画像に現れている線がぴったり水平もしくは垂直になっているかを検証しやすくします。 ガイドはドラッグすると移動ができ、 画像表示の外までドラッグすれば消去できます。 いつでもガイドを画像にドラッグして曳き込めますし、 同時に何本でも置けます。
定規上には小さな黒い三角形がそれぞれひとつづつ表示され、 マウスポインターの現在地を常に示します。
クイックマスクモード: 画像表示の左下隅にクイックマスクのオン/オフを切り替える小さなボタンがあります。 クイックマスクが有効な状態ではこのボタンが赤く縁取られます。 クイックマスク の節にはとても便利なこのツールの詳しい解説があります。
ポインターの座標: ポインター (マウスをお使いならばマウスカーソル) を画像の枠内に置くと、 ウィンドウの左下の一区画に現在のポインターの座標が表示されます。 単位は定規と同じです。
単位メニュー: 定規をはじめいくつかの機能で使われる単位を単位メニューで変更できます。 初期設定ではピクセル単位ですが、 このメニューでインチやセンチメートルをはじめさまざまな尺度に素早く変更できます。 メニューの ピクセル等倍 を指定した場合に画像表示の大きさがどう変わるかに注意してください。 ピクセル等倍で表示 にさらに詳しい説明があります。)
ズームボタン: ズームで近づいたり離れたりする方法はたくさん用意されていますが、 ズームボタンが最も単純かもしれません。 表示倍率が数値記入欄で直接指定できますので非常に精密な伸縮が可能です。
状態情報: 状態情報は画像ウィンドウの底部のステータスバーに現れます。 初期設定では状態情報の区画に画像を XCF 化する前の元のファイル名やこの画像のために消費されているメモリー量が表示されています。 設定 ダイアログの「画像タイトルとステータスバーの形式」のページの下段で状態情報の区画に表示する情報の形式を設定できます。 時間を多く費す作業をしているときに、 状態情報は一時的にその作業が何であるかの表示に切り替わり、 進み具合を報告します。
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読み込んだ画像に使われるメモリー量は画像ファイルのサイズとは全く違います。 たとえば 70Kb の |
中止ボタン: 大抵はプラグインのような複雑で時間のかかる作業中に、 中止ボタンがウィンドウの右下の区画に一時的に現れます。 中止ボタンをクリックするとその作業を中止できます。
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残念ながら中断するとまずいプラグインがまれにあり、 ときには壊れた画像を残して終了するおそれがあります。 |
ナビゲーションコントロール: これは小さな十字ボタンになっていて画像表示の右下隅にあります。 ナビゲーションコントロールをクリックしたままマウスボタンを放さずにおくとナビゲーションプレビューが表示されます。 ナビゲーションプレビューには表示領域が枠線で描かれた画像の縮小版があります。 ナビゲーションプレビューを使えば画像上での視野を別の位置に素早く移せます。 この操作はボタンを放さずにマウスを移動してください。 表示枠よりも大きな画像のため一部しか見えないとき、 画像の見たい部分をとらえるのにナビゲーションウィンドウだと大抵一番簡単にできます。 (ナビゲーションウィンドウを呼びだす別の方法については、 ナビゲーションダイアログ を参考にしてください。) (3 ボタンマウスをお使いの場合、 中ボタンでドラッグすると同様に画像上を巡れます。)
外部不活性区域: 画像表示の大きさが画像ウィンドウよりも小さいときは、 不活性な領域が画像を囲み、 画像上とそれ以外を区別できます。 不活性区域はどんなフィルターも操作も受け付けません。
画像表示領域: 画像ウィンドウのうちで最も重要なのは当然ながら画像表示領域すなわちキャンバスです。 画像ウィンドウの中央を占め、 黄色の点線が画像とその外部の無色な灰色の背景との境界を示しています。 画像をズーム表示するその段階を調整する方法はいろいろありますが、 つぎに述べる表示倍率調整もそのひとつです。
ウィンドウと画像の連動伸縮の切り替え: この機能を無効にしている場合は画像ウィンドウの表示枠をクリックしながらドラッグして大きさを変えても画像の表示倍率は変わりません。 たとえばウィンドウを大きくすれば画像の見える部分が増すか外周不活性区域が拡がります。 その逆にこのボタンをクリックして押した状態にすると、 画像ウィンドウの大きさを変えると画像の表示される区画が変形の前後で (ほぼ) 同じになるように画像の表示倍率が調整されます。
ティップ | |
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ファイルブラウザーの画像アイコンをツールボックスまでドラッグして放つとその画像が新たな画像ウィンドウになって、 あるいは画像表示領域の新たなタブとなって開かれます。 レイヤーダイアログに画像アイコンをドラッグしてきて放つと、 ドロップされた画像はレイヤー化されて現在の画像に追加されます。 |
画像表示の大きさと画像ウィンドウの大きさがいつも同じとは限りません。 画像を画像ウィンドウにすっぽり入る大きさで表示させたり、 逆に画像表示に合わせて画像ウィンドウの大きさを調節するキーボードショートカットがあります。
Ctrl+J: このコマンドは表示倍率を維持します。 画像ウィンドウの大きさが画像の表示寸法に合わせて変化します。 コマンドと同じ働きです。
Ctrl+Shift+J: このコマンドは表示倍率を変更して画像ウィンドウ内で画像の全体像が見える最大限の大きさにします。