3.3. パターンダイアログ

GIMP でいう パターン (文様) とは指定された領域を埋め尽すように敷き詰められる小さな画像のことです。 パターン の節でパターンに関する基本的な説明と作り方や使い方について述べています。

塗りつぶし ツールや スタンプで描画 ツールで使えるほか、 パターンで塗りつぶす コマンドもあります。

パターンダイアログではパターンの見本画像が升目状に並べられていますので、 クリックして選びだしてください。 選ばれた現在のパターンはツールボックスの ブラシ/パターン/グラデーション の区画でも表示されます。 多少闇雲に選ばれたと思われるものも含め 数十種ものパターンが GIMP に付いてきますが、 自前のパターンも簡単に追加できます。

3.3.1. ダイアログの呼び出し方

パターンダイアログはドッキング可能です。 その扱い方については 「ダイアログとその合体」 の節をご覧ください。

呼び出し方はつぎのとおりです。

  • From the Toolbox, by clicking on the pattern symbol in the Brush/Pattern/Gradient area (if you have checked the Show active brush, pattern and gradient option in the toolbox preferences).

  • 画像ウィンドウのメニューより ウィンドウドッキング可能なダイアログパターン

  • 任意のドッキング可能なダイアログのボタンアイコン をクリックすると出てくるタブメニューより タブの追加パターン

  • スタンプで描画 ツールや 塗りつぶし ツールのツールオプションダイアログ上のパターンを選ぶためのボタンをクリックすると、 よく似た一覧表が現れて手早くパターンを選べるようになっています。 この飛び出し一覧表の右下にある 「塗りつぶし」 ボタンをクリックすれば本物のパターンダイアログが呼び出せます。 ちなみに設定によっては、 この飛び出し一覧表から選んだパターンは現在起用しているツールにのみ適用させ、 他のツールで用いるパターンは変更しない設定も可能です。 より詳しくは 設定 ダイアログのツールオプションのページをご覧ください。

3.3.2. パターンダイアログの利用法

升目表示と列挙表示

パターンダイアログのタブメニューで 並べて表示一覧で表示 を切り替えられます。 並べて表示を選ぶと一度にたくさんのパターン見本が探せるように各パターンアイコンは升目状に並べられます。 一覧で表示の場合はパターン見本とその名前が一覧表に列挙されます。

[ティップ] ティップ

パターンの本来の大きさによらずこのダイアログの見本画像はすべて同じ大きさで表示されます。 大きなパターンはその片鱗しかダイアログ上で見られないのです。 これは升目状に並べても名前つきで列挙しても変わりません。 パターンの全体像を見るには単に見たいパターンの見本画像を クリックしたまましばらく待つ だけです。

[注記] 注記

タブメニューの プレビューサイズ サブメニューではパターンの見本画像の大きさが選べます。

図15.37 パターンダイアログ

パターンダイアログ

一覧で表示

パターンダイアログ

並べて表示


パターンダイアログの利用法 (並べて表示)

ダイアログの最上部に現在選択されているパターンの名前と大きさ (ピクセル単位で幅×高さ) が表示されます。

利用可能なパターンのすべてがダイアログの中段に升目状に並べられており、 唯一現在選択されているものだけに枠線がついています。 これらのどれかひとつをクリックするとそれが GIMP での現在活性化しているパターンとなり、 ツールボックスの ブラシ/パターン/グラデーション の区画でもその見本画像が表示されます。

パターンダイアログの利用法 (一覧で表示)

この表示ではパターンは升目状に並べられるのではなく縦一列に列挙され、 それぞれの名前と大きさもあわせて表示されます。 一覧表のいずれかの行をクリックすれば、 升目表示での場合と同じように、 そのパターンが GIMP の現在活性化しているパターンとなります。

パターンの名前は ダブルクリック すると書き直せます。 ただし変更できるのは自前でインストールしたものに限られ、 GIMP と一緒に提供されたパターンは対象外です。 仮に変更の権限のないものの名前を編集しても、 これを確定しようとして Enter キーを押したりどこか他のところを触るとたちまち名前は元に戻されます。

一覧表でのそのほかの操作はいずれも升目状表示でするのと全く同じです。

パターンの削除

このアイコンボタンをクリックすると選択されていたパターンは一覧表から消されるだけでなくファイルそのものがディスクから削除されます。 ただし GIMP と一緒についてきてシステムディレクトリーの patterns フォルダーにインストールされたパターンファイルはどれも消去できません。 書き込みが許されているフォルダーに保管されたパターンのみが削除可能です。

パターンファイルを再度読み込み

このアイコンボタンをクリックすると GIMP はパターンの検索パスに登録されているフォルダーを再度読み込み直して、 パターンが新たに見つかると一覧表に追加します。 新しいパターンをフォルダーに追加したときに GIMP を再起動せずともそのパターンを利用可能にできる便利なボタンです。

パターンファイルを画像として開く

このアイコンボタンをクリックすると現在選択されているパターンファイルが新たに画像ウィンドウに開かれます。 つまりそれを編集できます。 でもまたそのファイルを拡張子 .pat のついた名前で保存しようとすると、 たとえ新しい名前にしたとしても GIMP のシステムディレクトリー内に保管することになり書き込み権限がないとして拒否されるでしょう。 しかし Windows™ でなら規制が緩いため変更できるかもしれません。

3.3.3. タグづけ

タグはパターンの一覧表示を再構成するのに使えます。 「タグづけ」 をご覧ください。

3.3.4. パターンダイアログの脈絡メニュー

脈絡メニューはパターンダイアログのタブメニューから パターン サブメニューへと進むか、 ダイアログ上を 第2ボタン でクリックして呼び出します。 アイコンボタンで説明したコマンドのほか、 パターンの保管場所のパス名をクリップボードに写し取る パターンの場所をコピー があります。

3.3.5. クリップボードパターン

画像に対して取り込み (コピー) や切り取りを実行すると、 パターンダイアログの一覧表の筆頭にその写しが現れます。 このパターンは再び何かの画像や選択範囲を取り込む (または切り取る) まではその内容が保たれます。 GIMP を終了すると消えます。

図15.38 クリップボードパターンの登場

クリップボードパターンの登場

[注記] 注記

こうしてできたクリップボードパターンはパターンダイアログに現れたときにすぐさま 編集クリップボードから生成新しいパターン... とすれば保存できます。