3. 画像内容に関連するダイアログ

3.1. 描画色/背景色ダイアログ

図15.23 描画色/背景色ダイアログ

描画色/背景色ダイアログ

このダイアログで色を管理したり色を新たに引き出せます。 使えるモードが GIMPCMYK、 水彩色、 三角形、 スケールの 5 通りあります。 コンピューター画面上ならどこでも色が採取できるという面白いスポイトがついています。

ツールボックスの色標識から呼び出せる色変更ダイアログは画像ウィンドウのメニューから呼びだせる色変更ダイアログとは少し違いがあります。

  • スケールメニューで選ばずとも HSVRGB の 6 本のスライダーが常時表示されています。

  • 最近使った色を示す 12 個の色履歴ボタンがあります。 いずれも押せばその色が使えるようになるほか、 現在の描画色か背景色をここに取り込めまず。

描画色でも背景色でもこのダイアログが使われます。

3.1.1. ダイアログの呼び出し方

描画色/背景色ダイアログはドッキング可能です。 その扱い方については 「ダイアログとその合体」 の節をご覧ください。

呼び出し方はつぎのとおりです。

  • 画像ウィンドウのメニューより ウィンドウドッキング可能なダイアログ描画色/背景色

  • 任意のドッキング可能なダイアログのアイコンボタン をクリックすると出てくるタブメニューより タブの追加描画色/背景色

  • ツールボックスの色標識をクリック

ダイアログが少なくともひとつ開かれておれば、 ウィンドウ メニューに 切り放したウィンドウ のリストが現れます。 このときは画像メニューより ウィンドウ描画色/背景色 と進めば描画色/背景色ダイアログを浮かび上がらせられます。

3.1.2. 描画色/背景色ダイアログの利用法

GIMP セレクター

GIMP カラーセレクターは右側の縦に長い 1 次元色尺とその左隣の広い 2 次元領域をクリックして色を選びます。 1 次元色尺は色相 H、 彩度 S、 明度 V、 赤 R、 緑 G、 青 B のいずれかの色変数を表すボタンをクリックするとその値を設定できます。 2 次元領域で残りの色変数の値を定めます。 [合計で 3 つの次元が HSV もしくは RGB の組にあたります。]

CMYK

図15.24 CMYK

CMYK

この色選びはプリンターのアイコンをクリックして呼び出してください。 CMYK 色モデルに基づく管理ができるようになっています。

三角形セレクター

図15.25 三角形セレクター

三角形セレクター

ここでは HSV 色モデルを使って色選びができます。 色彩環 はクリックしてもドラッグしても色相が選べます。 三角形 内をクリックしてドラッグすれば直観的に彩度 (垂直) と明度 (水平) が変化します。

水彩色セレクター

図15.26 水彩色セレクター

水彩色セレクター

この色セレクターは絵筆の印をクリックして呼びだします。 この機能モードは今まで見てきたセレクターとは操作のしくみが少々異なります。 原理的には大きな四角のパレットをクリックすると描画色が少しずつ変化してゆくようになっています。 仮に現在の描画色が白だったとすると、 パレットの赤の部分をクリックするたびに描画色が赤みを帯びてきます。 クリックを繰り返すとその色みが強くなります [ドラッグしたり同じ色の上を往復しても同様に色味が強くなります]。 色パレットの右隣のスライダーで、 一回のクリックで加えられる色の量を調節できます。 スライダーを上にするにつれクリックごとの色の増分が大きくなります。

パレット

図15.27 パレット色セレクター

パレット色セレクター

この色セレクターには パレットダイアログ で選択されたパレット上の色が並びます。 そこでの任意の色をクリックすれば GIMP の描画色か背景色になります。 色を選ぶ際に 矢印キーでパレット内を移動できます。

スケール

図15.28 色尺式色セレクター

色尺式色セレクター

このセレクターは色相 H、 彩度 S、 明度 V の各値と赤 R、 緑 G、 青 B の各チャンネルをスライダーつきでとり揃えています。

スポイト

スポイトツール とこのスポイトは決定的な違いがあります。 画像から色を採取できるだけでなく、 コンピューター画面のどこからでも色が採れるのです。

HTML 表記法

HTML 表記法 をご覧ください。 CSS 色名も使えます。 入力欄は最初のアルファベットを記入したときに直ちにその文字から始まる色名の一覧表を示します。

図15.29 CSS 色名表示の例

CSS 色名表示の例

HTML 表記法入力欄上をマウスの 第2ボタン でクリックすると脈絡メニューが現れ、 他の場所で取り込んだ色名を貼り付けるなどの編集ができるようになっています。 このメニューは 入力メソッド で外国語の文字が使えるようになっているほか、 Unicode 制御文字の挿入 もできます。 その内容は途轍もなく広く当てびきの守備範囲を越えます。 [UNICODE] をご参照ください。

図15.30 HTML 表記法の脈絡メニュー

HTML 表記法の脈絡メニュー

ダイアログ下部の描画色/背景色の色標識 (ツールボックスの色標識に同じ) の右上にある曲がった両頭矢印のアイコンボタンで両色を交換できます。 左下には一部重なった小さな黒と白の正方形のアイコンボタンがあります。 これをクリックすれば描画色は黒に、 背景色は白に戻ります。