切り抜きツールは画像を刈り込んだり切り抜いたりするときに使います。 画像上のすべてのレイヤーに対し、 可視か不可視かにかかわらず作用します。 このツールは周辺部を取り除いたり、 焦点の当たる部分を残して不要な領域を削減するのによく使われます。 あるいはいまある画像の大きさが必要な大きさや縦横比にそぐわないときにも重宝します。
選択ツールと同様、 切り抜きツールも第 2.4 版から新たに強化されました。 リサイズハンドルは名前どおり切り抜き矩形をリサイズするようになり、 これまでのリサイズと移動が混在した動作はありません。この他の GIMP ツールとともにより自然で一貫した動作をします。 領域を移動するにはその内側をクリックして矩形をただドラッグすればよいのです。 各辺と 4 隅にはハンドル部分があって、 これらをドラッグすれば 1 辺もしくは 2 辺同時に動きますので、 リサイズができます。 切り抜いたあとの様子が判り易くなるように、 領域外の周辺部を暗い色にする額の台紙のような効果もあります。 切り抜きを確定するには切り抜かれる矩形の内側でクリックするか、 Enter キーを押します。
マウスポインターの姿が移動十字矢印になっているときはキーボードの 上 下 左 右 矢印キーで切り抜き矩形を移動できます。 Shift キーを押しながらだと 25 ピクセルづつ移動します。
切り抜く領域の位置をびたりと合わせるのにガイド (見当線) が使えます。
→ のオプションが有効なことが条件です。注記 | |
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画像ウィンドウ底部の状態表示 (ステータスバー) で縦横比がわかります。 |
切り抜き矩形を描いてからその内側でクリックしたままマウスボタンを押し続けると、 ハンドルが消えて...
Ctrl キーを押している間は 中央から拡げる オプションが有効になります。 (反応がないときは Alt+Ctrl)
Shift キーを押している間は 固定 オプションが有効になり、 位置や寸法などの一部が固定されます。
一般的にはこのツールを起用すると、 そのツールオプションがツールボックスの下に繋げられたウィンドウ上に現れます。 そのようなウィンドウが見あたらないときは、 画像ウィンドウのメニューより
→ → と辿れば今使っているツールのツールオプションウィンドウが開きます。このオプションは現在活性化しているレイヤーだけを切り抜きます。
このオプションは画像 (レイヤー) はおろかキャンバスをはみ出しても切り抜きやリサイズができるようにします。 この方法で出来上がりの画像の大きさが決められるようになります。 何も無い部分を切り抜き範囲に加えるとそこは透過部分となります。
このオプションを有効にすると、 切り抜き矩形は最初にクリックした画素を中心として拡がります。 切り抜きの作業中に Ctrl キーを押すと、 その間はこのオプションの有効無効が切り替わります。
切り抜き矩形をつくっている最中には Ctrl キーを押している間もこのオプションが有効になります。 このオプションは寸法の一部や縦横比を固定して切り抜き矩形をつくるためのものです。
: 固定される値は既定ではこちらです。 切り抜き矩形をつくるときその幅と高さの比率がつねに元の画像の縦横比と同じになります。
, : 幅のみもしくは高さのみが固定されます。 その値は直下の入力欄で設定でき、 初期値は 100 ピクセルです。
「150x100」のように設定できます。 [×は使えません。 x
もしくは *
を使ってください。] 画像をクリックした途端に切り抜き矩形はこの値に従います。その右側にある 2 つのアイコンボタンは、 (横に長い) か (縦に長い) の形に切り抜き矩形を倒します。
この 2 つの欄は切り抜き矩形の左上隅の位置を左の欄に水平軸、 右の欄に垂直軸の各要素で常時表しており、 数値を直接入力すれば変更もできます。 距離の単位はピクセルですが、
ボタンが引き出しリストになっていて、 単位を変更できます。 座標の原点は (画像のではなく) キャンバスの左上隅です。この 2 つの欄は切り抜き矩形の大きさを左の欄に幅、 右の欄に高さで常時表示しており、 数値を直接入力すれば変更もできます。 長さの単位はピクセルですが、
ボタンが引き出しリストになっていて、 単位は変えられます。このオプションは切り抜き矩形の領域外の色を暗くする機能に切り替えるもので、 矩形を目立たせる目的があります。
見当線のすべての種類について 「矩形選択」 で説明しています。
このボタンを切り抜き矩形を作成中に押すと、 活性レイヤー上の形象に矩形の境界線が自動的に合わされます。 このオプションは背景の色と形象とがくっきりと分かれている場合に正しく動作します。
このオプションは「見えている色で」オプションのようにはたらきます。 活性レイヤーのみならず、 すべての 可視 レイヤーからのピクセル情報をもとに判断します。