12.7. オブジェクトにマップ...

12.7.1. 概観

図16.254 オブジェクトにマップの写真への適用例

「オブジェクトにマップ」の写真への適用例

元画像

「オブジェクトにマップ」の写真への適用例

オブジェクトにマップフィルタ適用後


オブジェクトにマップ... フィルタは画像を平面上に展開したり球体や箱型や円柱の表面に貼り付けたりします。

12.7.2. フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより フィルタマップオブジェクトにマップ...

12.7.3. オプション

12.7.3.1. プレビュー区画

プレビュー機能にはいろいろなはたらきがあります。

プレビュー

プレビュー機能は一部のオプションについては自動的に更新しますが、 大概はパラメータ変更を反映させるには プレビュー ボタンをクリックする必要があります。

光源タブを開いているときにマウスポインタをプレビュー画像上にかざすとその姿が掌の形に変わり、 画面上に光源を示す 青い点 があればこれをクリックしてドラッグして移動できます。 この青い点は光源の座標 X と Y が負の値の場合プレビュー画面上には現れません。

拡大表示ボタン; 縮小表示ボタン

「表示倍率を上げる」 ボタンと 「表示倍率を下げる」 ボタンはプレビュー画面の画像を拡大表示や縮小表示させます。 その倍率には限度がありますが、 大きな画像を扱うときは便利でしょう。

ワイヤフレームでプレビュー表示

ワイヤフレームでプレビュー表示 を有効にするとオブジェクトの位置をずらしたり回転させる操作を楽にしてくれる格子図がプレビュー画面に表示されます。 狙いどおりの作業ができます。

12.7.3.2. 一般設定のオプションタブ

図16.255 オブジェクトにマップの一般オプションタブ

「オブジェクトにマップ」の一般オプションタブ

元画像を次にマップ

この引き出しリストから画像を貼り付けたい物体の形を選べます。 選択肢は 平面球体直方体円柱 の4種類です。

背景を透明に

このオプションを有効にすると画像上でオブジェクト以外の部分が透明になります。 無効の場合は現在の背景色でオブジェクトの周囲が塗りつぶされます。

元画像を並べる

向きタブのオプションで平面オブジェクトを移動して位置をずらすと画像の一部に隙間が空きます。 元画像を並べる オプションを有効にすると元画像の複製がその空き地を埋めるように並びます。 他の形のオブジェクトを指定しているときはこのオプションは何の効果も無いようです。

[注記] 注記

このオプションは 平面 オブジェクト専用です。

別画像を生成

このオプションを有効にすると元画像の複製が生成されて新たなウィンドウで開かれ、 複製側にフィルタが適用されるため、 元の画像が保たれます。

滑らかに

縁取りの見苦しいぎざぎざを隠すにはこのオプションをご利用ください。 このオプションを有効にするとつぎのような一対の設定項目が現れます。

  • 深度 スライダはアンチエイリアス処理の品質を、 処理に費す時間の増大と引き換えに設定します。

  • しきい値 の値はアンチエイリアス処理が不要となるめやすを定めます。 画素同士の明度の差がこの値よりも小さいところではアンチエイリアス処理を行いません。

12.7.3.3. 光源タブ

図16.256 光源タブのオプション

「光源」タブのオプション

光源設定
  • 光源種: この引き出しリストから 点光源指向性光源光源無し のいずれかを選びます。

  • 光源色: 色だまりボタンをクリックすると色変更ダイアログが現れ光源の色を設定できます。

位置

光源種に 点光源 を指定しているときは光源の 位置 (プレビュー画面では青い点) を X、 Y、 Z の座標で設定できます。

光源種に 指向性光源 を指定しているときは光の方向ベクトルを調整できます。 しかし効果に明らかな違いは見受けられません。

12.7.3.4. 物質タブ

図16.257 物質タブのオプション

「物質」タブのオプション

強度レベル
  • 飽和度: 光の直接当たらない陰の部分で色の出る量です。

  • 拡散: 光源に照らされた部分での元の色の強さです。

反射性
  • 拡散: 値を高くすると物体の照り返しが強くなります。 輝いて見えます。

  • 反射: ハイライト部分の光の強度を調節できます。

  • ハイライト: 値を高くするとハイライト部分に焦点が集まります。

12.7.3.5. 向きタブ

図16.258 向きタブのオプション

「向き」タブのオプション

位置

X、 Y、 Z の3つのスライダと付属する数値記入欄で画像上でのオブジェクトの位置の座標を変更できます。 X、 Y、 Z はオブジェクトの左上角の位置の座標を示します。

回転

X、 Y、 Z の3つのスライダはそれぞれ X 軸、 Y 軸、 Z 軸でオブジェクトを回転させる角度を設定します。

12.7.3.6. 直方体タブ

このタブは 直方体 オブジェクトを選択しているときだけ現れます。

図16.259 直方体タブのオプション

「直方体」タブのオプション

画像を直方体の表面にマップ

このオプションは名前が示すとおりのはたらきをします。 ここで直方体の6つの面に貼り付ける画像のレイヤーを指定できます。 それぞれの引き出しリストに現れる画像はいずれもこのフィルタを呼び出した時点でGIMPが開いていた画像のレイヤーだけです。

拡大縮小

X、 Y、 Z の3つのスライダで直方体の寸法の X、 Y、 Z のそれぞれの辺の長さを指定します。

12.7.3.7. 円柱タブ

このタブは 円柱 オブジェクトを選択しているときだけ現れます。

図16.260 円柱タブのオプション

「円柱」タブのオプション

表面に被せる画像

このオプションは名前が示すとおりのはたらきをします。 それぞれの引き出しリストに現れる画像はいずれもこのフィルタを呼び出した時点でGIMPが開いていた画像のレイヤーだけです。

サイズ
  • 半径 スライダと付属する数値記入欄で円柱の太さを設定できます。 残念なことにこの設定はいま円柱に貼り付けられている画像をもとに標本抽出をやり直し、 新たな寸法の円柱に貼り付ける処理をします。 できれば画像の貼り付け処理を行う前に円柱の寸法を設定しておいた方が、 画像全体が貼り付けられますので理想的でしょう。

  • 長さ スライダは円柱の長さを調節します。