第1章 はじめに

目次

1. GIMPへようこそ
1.1. GIMPをつくったひとびと
1.2. GIMPのヘルプシステム
1.3. 機能と性能
2. GIMP 2.6 の新機能

1. GIMPへようこそ

GIMPは写真や画像を加工する道具です。 多様な機種/オペレーティングシステムで動作します。 GIMPの名前は GNU Image Manipulation Program (GNU画像操作プログラム) から来ています。 GIMPは写真レタッチや画像加工、 CG制作などあらゆる画像操作に適しています。

その可能性は多岐に亘ります。 ちょっとしたペイントプログラムとして、 または専門的な写真レタッチプログラムとして、 あるいはオンラインでバッチ処理するプログラムとして、 さらには大規模制作で画像表現させたり、 画像を別の規格に移したり…。

GIMPは拡張にも優れています。 どんな要望にも応えられるよう、 プラグインや機能拡張が添加できるデザインになっています。 ちょっとした加工からとても込み入った画像処理までカバーする高度なスクリプト対応があります。 このスクリプトの記述は簡単です。

GIMPの誇る強みのひとつに、 さまざまなオペレーティングシステムに対応する配布物が自由に (無料で) 手に入るよう数多くの方法が提供されていることがあげられます。 大抵の GNU/Linux ディストリビューションにはGIMPが標準アプリケーションとして同梱されていますし、 多くのBSDライセンスのオペレーティングシステムでも使用できます。 Microsoft Windows™ やアップル社の Mac OS X™ (Darwin) など他のオペレーティングシステムでもGIMPが使えます。 GIMPは一般公有使用許諾書GPL [GPL] によって保護されたフリーソフトウェアアプリケーションです。 GPLはコンピュータプログラムの源であるソースコードを入手し改良する自由をユーザにもたらします。

1.1. GIMPをつくったひとびと

最初期のGIMPは Peter Mattis と Spencer Kimball のふたりによって作られました。 今では数多くの開発者がこの制作に携わり、 数千もの方々がサポートやテストに関わっています。 現在、 GIMPの提供は Sven Neumann と Mitch Natterer をはじめとする沢山のGIMPチームのメンバーによる共同でなりたっています。

1.2. GIMPのヘルプシステム

GIMPの使い方を習得するために必要な情報をGIMP文書化チームやさまざまなユーザが提供しています。 そのヘルプの重要な位置をしめるのがこの使用のてびきです。 最新の公開配布版はHTML形式のものが文書化チームのウェブサイト [GIMP-DOCS] より入手できます。[1] HTML版の使用のてびきはインストールしておくとGIMPの使用中に F1 キーを押すだけでそのときの情況に応じた内容を読めるようになっています。 また各メニュー項目についてもすべてではありませんがマウスポインタで指し示しながら F1 キーを押すことでその説明が読めるようになっています。 早速読んでみてGIMPの世界へ旅立ちましょう!

1.3. 機能と性能

GIMPを使ってできることやその性能の概要をざっと挙げますとつぎのようになります。

  • 絵筆、 鉛筆、 エアブラシ、 スタンプなどすべての描画ツールを網羅。

  • タイル式のメモリ管理により、 扱える画像のサイズを制限するのはディスクの容量のみ。

  • すべての描画ツールにサブピクセルサンプリングを採用し高品質なアンチエイリアスを実現。

  • 透過効果を司るアルファチャンネルを全面サポート。

  • レイヤーとチャンネル。

  • GIMP内部関数を利用するための手続型データベースを装備し Script-Fu 等の外部プログラムに対応。

  • 先進的なスクリプト対応 (TinyScheme, Python, Perl, Ruby, C#)。

  • 多段階取り消し/やり直し (制限するのはディスク容量だけ)。

  • 回転、 拡大・縮小、 剪断変形、 反転などの変換ツール。

  • 扱えるファイル形式は GIF, JPEG, PNG, XPM, TIFF, TGA, MPEG, PS, PDF, PCX, BMP 他多数。

  • 選択ツールは矩形、 楕円形、 任意、 魔法の杖、 ベジエ、 電脳はさみなど。

  • プラグイン機能により新しいファイル形式にも即対応でき、 エフェクトフィルタも追加可能。



[1] 日本語版は 翻訳者のサイト でも自主配布しており、 頻繁に更新しています。