2.4. カラーマップダイアログ

図14.14 6色のインデックス化画像とそのカラーマップダイアログ

6色のインデックス化画像とそのカラーマップダイアログ
6色のインデックス化画像とそのカラーマップダイアログ

カラーマップダイアログはインデックス化画像のカラーマップを変更するのに使えます。 (カラーマップというよりはインデックス化パレットのほうが名前としてふさわしいかもしれません。) (もし画像がインデックス化されておらずRGBやグレースケールのモードだった場合は、 このダイアログは空になり利用できません。)

2.4.1. ダイアログの呼び出し方

カラーマップダイアログはドッキング可能です。 その扱い方については 「ダイアログとその合体」 の節をご覧ください。

呼び出し方はつぎのとおりです。

  • 画像ウィンドウのメニューより ウィンドウドッキング可能なダイアログカラーマップ

  • 任意のドッキング可能なダイアログのアイコンボタン をクリックすると出てくるタブメニューより タブに追加カラーマップ

ウィンドウ メニューではダイアログがひとつだけの状態で開かれている場合に限り、 切り放したウィンドウ のリストが現れます。 この場合には画像メニューより ウィンドウカラーマップ と進めばカラーマップダイアログを浮かび上がらせられます。

2.4.2. カラーマップとインデックス化カラー画像

インデックス化された画像では、 各画素に直接色を与える方法 (つまりRGB画像やグレースケール画像での方式) をとらず、 各画素には索引への参照番号が与えられます。 GIMPは画素に表示する色を判定するときに画像のカラーマップ[対照表]を見て、 その参照番号にある色を出すのです。 インデックス化画像はそれぞれ固有のカラーマップを持っています。

インデックス化された画像の色は カラーマップ と呼ばれる対照表を通して遠回しに画素に与えられます。 GIMPではカラーマップに並べられる色数は最大で 256 色の制限があります。 カラーマップは最大色数ならば 0 から 255 までの索引番号のひとつひとつに任意のRGB色が割り振られます。 対照表に登録できる色には何ら制限はなく、 その順序も問いません。 どの索引番号にどの色を結び付けても構わないのです。

インデックス化カラー画像で 使える 色はカラーマップに 登録されている色に限られる ことは重要ですのでしっかり理解してください。 つまり使いたい色が他にあれば最大色数が許す範囲で再登録すればよいとも言えます。 この制約はGIMPでの大多数の操作に大きな影響を及ぼします。 例えば、 パターンで埋め尽くそうとするとほとんどの場合カラーマップには同等な色が見付からないので、 GIMPは一番近そうな色で近似を行ないます。 この処理に 量子化 を援用することもよくあります。 カラーマップの制約が大きかったり色数が乏しいと仕上がりはほぼ確実に非常に貧弱な画質になります。

カラーマップダイアログで画像のカラーマップを変更できます。 新たに登録項目を作成したり既存の項目の色を別の色に変えたりします。 既に使用されている参照番号に対する色を変更すると画像上にもその変更が反映され、 その色を参照しているすべての画素の色が一斉に入れ替わります。 ダイアログの色表では0番の色が左上隅に、 1番の色がその右隣に…のように並んでいます。

2.4.3. カラーマップダイアログの利用法

このダイアログを使うとできることはつぎのとおりです。

色見出しをクリック

するとクリックした色が (ツールボックスの色標識で表示されている) GIMP描画色になります。 そのあとは塗色操作にこの色が使えるようになります。

Ctrl キーを押しながら色見出しをクリック

するとクリックした色が (ツールボックスの色標識で表示されている) GIMP背景色になります。

色見出しをダブルクリック

するとクリックした色がGIMP描画色になり、 さらにインデックスカラーの編集ダイアログが開かれてカラーマップ上のその項目の色を別の色に変更できるようになります。

カラーインデックス

カラーインデックス の数値欄に索引番号を記入したりスピンボタンを操作して色見出しが指定できます。 そのほかクリックで選択した色見出しの色の索引番号がこの数値欄に表示されます。

HTML 表記

HTML 表記 の数値欄は現在選択されている検索番号に登録されている色を、 16進表記 (HTMLで使われているものと同じ) で表示します。 お望みならば色編集ダイアログを呼び出さなくても直接RGB値をここに記入して色を指定する方法がとれます。 用語集の HTML 表記法 をご覧ください。

色の編集...

「色を編集」 このボタン (ダイアログの左下にある) をクリックするとインデックスカラーの編集ダイアログが開かれ、 現在選択しているカラーマップの索引項目の色がそこで変更できます。 色見出しをダブルクリックしたときと似ていますが、 このボタンを使った場合はGIMP描画色の変更はありません。

色を追加

このボタン (ダイアログの右下にある) でカラーマップに新たに色を追加できます。 このボタンをクリックしたときの描画色 (ツールボックスの色標識に表示されている) がカラーマップの最後尾に付け加えられます。 一方でクリックする際に Ctrl キーを押していた場合は背景色が加えられます。 (ただしもしカラーマップに 256 色の項目が既に登録されて満杯になっていたときは、 このボタンは灰色無効で使用できません。)

[ヒント] ヒント

カラーマップダイアログでの作業も操作履歴に記録されますので、 何か失敗したときはそのカラーマップに直接関わる画像を活性化してから、 Ctrl+Z の組み合わせを押すか画像ウィンドウのメニューより 編集… を元に戻す (…には直前の操作の名前が入る) を実行すれば取り消せます。

[注記] 注記

このダイアログならインデックス化カラー画像のカラーマップを変更する通常の処理はほとんどこなせます。 明るさ-コントラストツールや色相-彩度ツールなどの色ツールではインデックス化画像の加工ができません。 一方でプラグインのなかには正規化色強調コントラスト伸長をはじめ僅かですがインデックス化画像を操作できるものがあります。

[注記] 注記

インデックス化カラー画像に塗った色がカラーマップになかった場合は、 GIMPはカラーマップにあるよく似た色を代わりに使って発色させます。

2.4.4. カラーマップの脈絡メニュー

カラーマップダイアログの色見出しのいずれかをマウスで 第2ボタン クリックすると、 その色が選択されるとともにサブメニューが開かれます。

図14.15 カラーマップの脈絡メニュー

「カラーマップ」の脈絡メニュー

色の編集...

このコマンドは色を探るダイアログを開きますから、 そこで現在選択している索引番号に対する色を変更できます。

描画色から色を追加

このコマンドはインデックス化パレットの色数が 256 色に満たない場合にのみ現れます。 ツールボックスでも表示されている背景色がカラーマップに付け加えられます。

背景色から色を追加

このコマンドはインデックス化パレットの色数が 256 色に満たない場合にのみ現れます。 ツールボックスでも表示されている描画色がカラーマップに付け加えられます。

インデックスカラーの並び替え...

「インデックスカラーの並び替え...」 に説明があります。