3. ファイルの開き方

既存の画像を GIMP にとりこむ方法はいろいろあります。

3.1. ファイルを開く

いちばん明確なのはメニューを使う方法でしょう。 画像ウィンドウのメニューより ファイル開く/インポート... と進みましょう。 ファイルを見回れる画像ファイルを開くダイアログが出てきますので開きたいファイルを見つけ出してクリックします。 このやり方はファイル名もその場所も既に知っているものを開くのには都合がよろしい。 しかし画像ファイルを開くダイアログにはサムネイル (縮小画像) 表示があるのにも関わらず、 画像のサムネイルを見ながらファイルを探るには不便で面倒です。

[注記] 注記

ファイルを開くときは GIMP はそのファイル形式を判定しなければなりません。 形式が多様であることに加え、 残念ながらそれを表す拡張子 (例: .jpg) に信頼が置けないので、 GIMP が拡張子からファイルの形式をそのまま判断することはありません。 実際はシステムごとに拡張子が異なったり、 機能追加でファイル名が変化することもあるからです。 さらに、 ファイル名から拡張子が省かれることもあるのが大きな理由です。 そこで GIMP は、 ファイルの中身を見て確かめてから形式を判断しようとします。 一般的に通用している画像ファイル形式のほとんどは、 その形式を認識させるためのマジックヘッダーを持っています。 マジックでは判断がつかない限られた場合のために、 GIMP は拡張子を利用する余地を残しています。

図5.4 画像を開くダイアログ

画像を開くダイアログ

GIMP 2.2 から、 欲しいファイルをすばやく探しだすために見回るのを助けるいろいろな機能がついた画像を開くダイアログが加わりました。 場所 欄によく使われるフォルダーを登録できるブックマークをとれるようになったのがおそらく決定的でしょう。 その先頭には、 デスクトップなどが自動的に挿入されます。 追加ボタン をクリックすると現在選択しているディレクトリーがブックマークに追加登録できます。 削除ボタン をクリックすれば現在選ばれているディレクトリーがブックマークから撤去されます。 ブックマークはクリックすれば、 そのディレクトリーに即座に移動できます。

選ばれたディレクトリーの内容がダイアログの中央部に現れます。 その一覧の上部はサブ (下位) ディレクトリーが並び、 ファイルはその後に整列します。 はじめはディレクトリーにあるファイルがすべて並べられますが、 ダイアログの下部にある ファイル形式の選択 メニューでファイル形式を指定すればその種類のファイルだけが並んで出てくるように制限できます。

整列しているファイルのなかから画像ファイルの項目をクリックすると、 ダイアログの右端にプレビュー画と画像の基本的な属性情報が表示されます。 プレビュー画は作成とともにキャッシュに蓄えられて再利用されるため、 操作後の現状と食い違うプレビュー画を表示することもありえます。 こうした食い違いになっていそうなときは、 プレビュー区画で Ctrl キーを押しながらクリックすれば強制的にプレビュー画を更新できます。

初期設定の場合、 画像を開くダイアログには 場所 文字入力欄があります。 これは隠せます。 Ctrl+L で表示を切り替えるのです。 またこのほか左上の紙と鉛筆のアイコン 「ファイル名を入力」 をクリックしても文字記入欄を呼び出せます。

[注記] 注記

ファイル一覧からファイル名を選びだしてダイアログの右下にある 開く ボタンをクリックすると、 ほぼ必ず GIMP はファイルの形式を自動的に判別します。 しかしまれにファイル形式が異例でその拡張子が不完全なとき、 GIMP はファイルの本当の形式を推定できないかもしれません。 必要ならダイアログの下部にある ファイル形式の選択 オプションを引き出し、 手動でファイル形式を特定できます。 でも GIMP がその画像ファイルを読み込めなかった理由は、 十中八九そのファイルが破損していたか、 もともとサポートされていなかった形式だったと考えられます。