2. グリッドとガイド

画像上に何かを正確に配置する必要に迫られた経験が少からずあるかと思いますが、 そのときマウスで作業するのは簡単ではなかったでしょう。 こんなときキーボードの 矢印キーを使うとうまくできます。 (そのままなら 1 回押すごとに 1 ピクセルの移動、 Shift キーとの組み合わせなら 25 ピクセルごとの移動になります。) ただし GIMP には他にも配置作業を楽にしてくれるグリッド (格子線) とガイド (見当線) という 2 種類のしくみがあります。

図12.27 以下の例の元画像

以下の例の元画像

2.1. グリッド

図12.28 既定のグリッドを重ねた画像

既定のグリッドを重ねた画像

画像にはどれもグリッドが備わっています。 常に存在するにもかかわらず初期設定では不可視になっていますので、 活用するにはメニューより 表示グリッドの表示 として切り替えてください。 この格子線は隠れていないでいつも出ていてほしいという場合は、 設定 ダイアログの画像ウィンドウの表示形式のページで グリッド のところにチェックを入れればその既定のふるまいを変更できます。 (このページに同じものが 2 つあるのはノーマルモードとフルスクリーンモードで個別に設定できるようになっているためです。)

GIMP の導入時点の初期設定のグリッドの姿は、 黒い十字の印が格子の交点にのみ描かれ、 格子の間隔は縦横ともに 10 ピクセルです。 グリッドの既定形式は 設定 ダイアログのグリッドのページで設定できます。 画像に対し個別に格子線の外観変更をしたい場合は画像ウィンドウメニューより 画像グリッドの設定... と進むと開かれる グリッドの設定 ダイアログをお使いください。

図12.29 グリッドの変装

グリッドの変装

グリッドは図上の距離を測ったり位置関係を見るのに利用できるだけでなく、 物体をぴたりと升目に合わせる使い方もできます。 それにはメニューで 表示グリッドにスナップ に切り替えてください。 すると画像内のポインターは格子線のいずれかの一定範囲内に近づくやいなやすっぱりとその線上に瞬間移動します。 このしきい値は 設定 ダイアログのツールオプションのページで スナップ距離 を設定すれば調節できますが、 既定値の 8 ピクセルは多くの方にご満足いただけるものでしょう。 (格子線に吸い付く機能はグリッドが不可視であっても何ら変わりなくはたらきます。 でもそのような使い方をする理由はなかなか見あたりません。)