フォントにまつわるバグ報告は 2.0 版の発表以降版を重ねるごとに減ってきてはいますが、 それでも GIMP 2 のバグ報告としては他の問題と比べるとより責任の重いものとなりつつあるようです。 寄せられる例の最多を占めるのが壊れたフォントファイルを読み込んだ Fontconfig のトラブルに起因する問題です。 起動時に GIMP がフォントディレクトリーを検分していて異常終了するのならば、 最も良い解決法は Fontconfig を 2.2.0 以降の新しい版にアップグレードすることです。 それ以外の手っ取り早い対処のしかたとしてはコマンドライン上で --no-fonts
オプションをつけて gimp コマンドを走らせる方法がありますが、 これだとテキストツールが使えません。
その他に、 文字配置情報 (character mapping) に Unicode を使っていないフォントを Pango 1.2 で読み込めない問題が判っています。 (Pango はテキストレイアウトライブラリーで、 GIMP で使われています。) 数多くの記号フォントがこの系統です。 システムによってはそのようなフォントを読み込むと GIMP が異常終了します。 Pango を 1.4 以降の版にアップグレードするとこの問題は解決し、 GIMP で記号フォントが使えるようになります。
GIMP は壊れたフォントファイルに遭遇するとエラーメッセージを出します。 コンソールウィンドウが開かれてそこにメッセージが書かれています。 しかしこれが Windows のシステムでは幾度も混乱の種となるのです。 コンソールウィンドウを閉じてはいけません。 開いたままでも問題のないウィンドウですし、 閉じると GIMP が終了してしまうからです。 このウィンドウを見ると GIMP が異常終了したと思われることが多いのですが、 そうではありません。 このコンソールウィンドウを閉じると、 Windows は GIMP を終了させてしまうのです。 厄介なことですが、 残念ながらこれは GIMP がリンクしているライブラリーと Windows の間で引き起こされるという事情があって、 GIMP 独自の解決策がありません。 結局、 このような事態になると、 そのコンソールウィンドウを最小化してやりすごすしかありません。