ずらしマップ の灰色濃淡に基づきずらします。 ずらしマップの色変化の度合いにより画素のずれが変化します。 ずらしマップで単色に塗られている部分に対応する画素はずれません。 グラデーションの色変化が急激なほどずれが大きくなります。
フィルタは活性レイヤーもしくはその選択範囲の画素をこのフィルタにはフィルタ適用を避けたい部分を覆うマスク機能がついています。
主オプション
ステップサイズ とはフィルタを繰り返すたびに起きるずれの幅のことです。 初期設定値の 10.00 は 1 ピクセルの移動に相当します。 負の値を設定するとずれの向きが逆転します。
繰り返し はフィルタの適用を繰り返す回数です。
ずれが起きると移動で画素の一部がレイヤーもしくはその選択範囲をはみ出してしまい、 またその反対側の辺では空の画素が現れます。 つぎの4つのオプションからこの問題を解決する方法を選びます。
回り込み (初期設定): はみ出した部分で反対側の隙間を埋め合わます。
ぼかす: 空隙はすぐ近くの画像の線を拡散させて埋め合わせます。
黒: 空隙は黒く塗りつぶされます。
描画色: ツールボックスの色標識に示される描画色を用いて空隙を塗りつぶします。
ここで選ばれた画像がグレースケール化されてずらしマップとして使われます。 ここに並ぶ画像の条件は このフィルタを呼び出した時点でGIMPが開いている画像であること、 ずらしを受ける画像と同じ寸法であること です。
詳細設定
すべての画素がずらされたあと、 このオプションは無作為に画素を撒き散らし、 画像を粒状化します。 この値を高くするほど粒が細かくなります。 0.00 から 100.00 の範囲で指定してください。
このオプションは画素をずらす方向をグラデーションの方向からみた角度で指定します。 先に概観で示した例では垂直に変化するグラデーションに 90 度の回転角度を設定していました。 水平方向に画素がずれ、 画像からはみ出すものはありません。 つぎの例では回転角度を 10 度に設定し、 フィルタの適用を 6 回繰り返しました。
ずらしマップに加え「強度マップ」が使用できます。 このマップも画像をグレースケール化したものを利用しますが、 この引き出しリストに並ぶ画像はずらしの適用を受ける画像と同じ寸法でありなおかつフィルタを呼び出した時点でGIMPが画面上に開いているものに限ります。 このマップは画像に起きるずれを部分的に強めたり弱めたりするはたらきがあり、 強弱の分布は強度マップの濃度によります。 このマップで白く塗られている部分に相当する画像の領域はフィルタが全力で適用されます。 このマップで黒く塗られている部分に相当する画像の領域はフィルタの適用が避けられます。 中間的灰色の部分は濃淡に応じてフィルタの適用強度が弱められます。 このオプションは 強度マップを使う を有効にしたときにはたらきます。
さらに詳細設定
3つの追加オプションではグラデーションマップやベクトルマップというさらに2種類のマップが利用できます。
注記 | |
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これらのマップだけの効果を確かめるには他のマップを単色のものに差し替えておく必要があります。 |
「グラデーションマップ」も画像をグレースケール化したものを利用します。 さて画素のずれはグレースケールマップのグラデーション方向によるのでした。 グラデーションスケール オプションはそのグレースケール変化量が画素のずれに及ぼす影響の強さを調整します。 つぎの例では繰り返しがあるたびにフィルタが赤い物体のみならず画像全体に適用されており、 ぼかしが起きています。
ベクトルマップを使うときは 角度 の値によりずれの方向が変わります。 0 度は上方向を指し、 反時計回りに進みます。 ベクトル拡大 は繰り返し一回あたり何ピクセル画像が移動するかを指定します。