14.3. 半統合

14.3.1. 概観

半統合 フィルタはインデックス化された画像の透過効果にアンチエイリアスをかけようとして編みだされた処方です。 というのも、 GIF形式のインデックス化カラー画像は透過効果をつけられますが、 完全透過か完全不透明 (アルファ値が 0 か 255) だけしか選べず、 半透明 (1 から 255) が使えません。 半透明な画素は透過を全くしなくなるか、 あるいは完全透過するかの二者択一となり、 例えばウェブページ用に作ったロゴに施したアンチエイリアス処理が崩壊してしまいます。

このフィルタを適用する前にウェブページの背景色がどんな色か知っておくことは大事です。 この作業には描画色/背景色ダイアログの点眼器が便利です。 この機能はコンピュータの画面のどこからでも彩色でき、 その色は描画色としてツールボックスの色標識にも表示されます。 このフィルタは背景色を使いますので、 描画色と背景色の交換 (ショートカット X) を行なってください。

半統合化の処理はレイヤーの色にその画素のアルファ値をかけ合わせて描画色とし背景色と合成することで正しくアンチエイリアスを再現します。 完全透過な画素には色がつきません。 よく透過している画素はあまり色が付かず、 弱い透過にはよく色が乗ります。

14.3.2. フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより フィルタウェブ半統合。 このプラグインは画像にアルファチャンネルが加わっている場合のみ利用できます。 アルファチャンネルがなければこのメニュー項目は灰色無効になり使用できません。 アルファチャンネルの追加については 「アルファチャンネルを追加」 をご覧ください。

14.3.3. 適用例

つぎに示す例ではGIMP背景色を桃色にし、 元画像は透過背景に輪郭をぼかした薄緑の筋を描いたものを使用します。

図16.332 半統合のための例図

半統合のための例図

現在の背景色

半統合のための例図

倍率800%表示


完全透過なところはそのまま残ります。 半透明な画素はその透明度 (アルファ値) に従って桃色が加わります。 こうしてこの画像は背景が桃色のページにうまく馴染みます。

図16.333 半統合フィルタ適用後

半統合フィルタ適用後

半統合フィルタ適用後の結果。 GIFに使える。