4. 変換ツール

図13.92 変換ツール群の概観

変換ツール群の概観

4.1. 共通機能

変換ツールメニューには8つのツールが並んでいます。 これらはいずれも画像などの表象を加工するためのもので、 画像全体を対象とするほか、 画像や選択範囲、 レイヤー、 パスの一部要素を対象とすることもあります。 いずれの変換ツールも媒介変数を設定するためのオプションダイアログと情報ダイアログを備えています。

4.1.1. ツールオプション

図13.93 変換ツールの共通機能

変換ツールの共通機能

オプションのいくつかは変換ツールに広く共有されています。 ここではそれらについて説明します。 各ツール固有のオプションについてはそれぞれのツールの節で個別に説明します。

変換対象

GIMPは変換ツールが作用する画像の要素を選ぶためのボタンを3つ用意しました。

[注記] 注記

変換対象オプションで選んだ項目はツールを替えても変化しないことを忘れないでください。

  • 第1のボタン を有効にするとツールは活性レイヤーに対して作用します。 選択範囲がないときはレイヤー全体が変換されます。

  • 第2のボタン を有効にするとツールは選択範囲の輪郭 (選択範囲がなければレイヤーの輪郭) にのみ作用します

  • 第3のボタン を有効にするとツールはパスにのみ作用します。

変換方向

変換方向 はレイヤーの変換方向を定めたり逆変換を可能にするためのものです。

正変換 モードは画像やレイヤーを指示したとおり順当に変換します。 変換作業はハンドルを操作して行ないます。 (後述する) 格子線を使うと、 格子で描かれていた位置と形状のとおりに画像もしくはレイヤーが変換されて収まります

逆変換 はその方向が逆になります。 主な用途はデジタル画像に見うけられる幾何変形的な歪みを直すとき、 中でも水平線が水平でないとか、 壁が垂直になっていないような傾きを補正するために一番よく使われます。 「回転」 ツールもご覧ください。

補間アルゴリズム

補間アルゴリズム の引き出しメニューはつぎの方法からいずれかを選ぶためのものであり、 これにより変換の品質が変わります。

なし

補間しない: 各画素の色には元画像で最も近くにある画素の色が使われます。 この方法はしばしばエイリアス化 (境界がギザギザになること) して画像が粗悪になりますが、 処理時間は最短です。 この方法を最近傍補間とも言います。

線形

各画素の色は元画像において最近傍の4つの画素の色を平均したものです。 ほとんどの画像でこの方法は満足のいく仕上がりになりますから、 処理速度と品質の両面に折り合いをつける良い方法です。 この方法を双線形補間とも言います。

キュービック

各画素の色は元画像において最近傍の8つの画素の色を平均したものです。 大抵の画像で最高の仕上がりが得られますが、 当然もっと処理に時間がかかります。 この方法を双三次補間とも言います。

Sinc (Lanczos3)

高品質な補完処理を行なうにはこの方式を選んでください。 これはSinc関数に似た3次ランツォシュ窓関数を低域通過フィルタとして用いています。

補間方法の既定値は 環境設定 ダイアログのツールオプションのページで設定できます。

クリッピング

変換後の画像は大きくなりがちです。 このオプションは元の画像の大きさに合わせて切り揃えるためのものです。

切り抜く方法はいろいろありますので、 次の中から選んでください。

自動調整

図13.94 元画像とその変化の例

元画像とその変化の例

元画像

元画像とその変化の例

自動調整の場合の回転の様子

元画像とその変化の例

自動調整の場合の回転とレイヤーの大きさに合わせたキャンバスの拡大の様子


自動調整の場合は、 回転したレイヤー全体を取り込めるようにレイヤーを拡大します。 処理後のレイヤーは[隠れていても]境界部分まで可視ですから、 画像キャンバスをレイヤーに合わせる とすればレイヤー全体が見えるようにできます (右図)。

変換前のレイヤーサイズ

図13.95 変換前のレイヤーサイズの例

「変換前のレイヤーサイズ」の例

変換前のレイヤーサイズ


変換前のレイヤーサイズの場合、はみ出した画像は削除されます。

結果で切り抜き

図13.96 結果で切り抜きの例

「結果で切り抜き」の例

結果で切り抜きを有効にして 45°回転

「結果で切り抜き」の例

切り抜きの限界を赤で示した。 透明部分が含まれない。


このオプションを選ぶと、 変換操作によって周辺部にできる透明部分が残らないように画像が切り詰められます。

縦横比で切り抜き

このオプションは上述の結果で切り抜きとよく似ていますが、 縦横比が維持されます。

プレビュー

GIMPはプレビューに4通りの方法を提供しています。

アウトライン

画像のアウトラインを表す外枠線を示し、 その4隅にはハンドルがついています。 変換のプレビューとして変形するのはこの外枠線だけですが、 結果的には画像の内容はもちろん、 指定された他のオプションによっては選択範囲の外部も含め変形の対象となります。

グリッド

画像上に格子線 (グリッド) が表示され、 その4隅にはハンドルがついています。 変換のプレビューとして変形するのはこの格子線だけですが、 結果的には画像の内容はもちろん、 指定された他のオプションによっては選択範囲の外部も含め変形の対象となります。

画像

この場合、 プレビューは画像のコピーに外枠をつけたものを使い、 元画像の上に重なるように表示されます。 プレビューの作業中は元画像が見えている上でそのコピーが変形します。

画像とグリッド

これら両者が一緒に変形します。

グリッドを利用するオプションが有効なときは、 2つの選択肢をもつ引き出しメニューが現れます。 グリッドの線数 は表示される格子線の各辺の総数の調整を行うときのもので、 スライダを用いて格子線の数を設定します。 グリッド線の間隔 は格子線の互いの間隔の調整を行うときのもので、 スライダを動かして[ピクセル単位で]間隔を設定します。

不透明度

画像上に描かれるプレビューの不透明度をこのスライダで調節します。

[注記] 注記

パスを対象に回転の変形をする場合に限り、 プレビューのオプションは無視されます。 外枠だけが有効です。