しきい値ツールは選択範囲あるいは活性レイヤーを白黒だけの画像に変換するためのもので、 しきい値の範囲内の値を持つ画素は白に、 しきい値の範囲外の値を持つ画素が黒になります。
白と黒の画像 (例えばスキャナで取りこんだ文面) を強める用途や、 選択マスクを作る用途があります。
注記 | |
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このツールは白と黒だけの画像を作るため、 元画像のアンチエイリアス効果は失なわれます。 それが問題ならば代わりに レベル ツールをお使いください。 |
このツールを起用する方法はつぎのいずれかです。
画像ウィンドウのメニューより
→ →画像ウィンドウのメニューより
→ツールボックスのツールアイコン 。 但しこの色ツールをツールボックスに登録した場合に限ります。 ツールアイコンダイアログ をご覧ください。
画像の色設定の内容は追加ボタン をクリックすればプリセット一覧に保存できます。
ボタンをクリックするとつぎのメニューが呼び出されます。
このメニューでは
によって現在の設定を記憶させたり、 によって他の画像の処理などに使った設定を再利用できます。 記憶された設定の数々は に進むと出てくるつぎのダイアログで管理できます。しきい値ツールは選択範囲あるいは活性レイヤーの強度を視覚化した ヒストグラム と呼ばれるグラフを提供します。 しきい値は入力欄に直接記入するか、 グラフ上を でクリックしてドラッグして設定します。 画像の一部の強度とその背景の強度の違いによってその部分を選択できるようになっています。 しきい値より範囲内の画素は白くなり、 範囲外は黒となります。 黒地に白の選択部分が思い通りになるように範囲を調整してください。
プレビュー の切り替えで選択範囲あるいは活性レイヤー上の強度レベルの変更は動的に反映されます。
必ずというほどではありませんが、 画像から何か部分的に切り出すときにその部分が背景から浮き立っていることはよくあります。 その場合にしきい値ツールを使えばこの部分は丸ごと選択できます。[12]
まず始めは チャンネル分解 フィルタを用いて画像をRGBとHSVに分解します。 すると新たにグレースケール画像が作られ、 それぞれの色要素はレイヤーとなってレイヤーダイアログに並びます。 各レイヤーのサムネイルが表示されますが学習に使うには小さ過ぎます。 もちろんプレビューの大きさを変えるダイアログメニュー (小さな三角のボタン) で大きくする方法がありますが、 むしろ「眼」の印を使う方が画像の分解レイヤーを選んで見るには楽でしょう。 欲しい部分がうまく孤立しているレイヤーを選びましょう。
分解した画像にてしきい値ツールを起用します。 ダイアグラムの黒いカーソルを動かして、 切り出したい部分が適切に孤立するようにしきい値を合わせます。 ただしこの作業で完璧にするのは無理でしょう。 得られた結果の仕上げはつづいて作成する選択マスクを利用します。
警告 | |
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しきい値ツールを呼びだす際には最もふさわしいレイヤーを選んでおいてください。 ダイアログを開いている間は、 他のレイヤーには移れません。 |
選ばれたレイヤーを表示している画像を確実に活性化してから、 Ctrl+C でクリップボードに取り込みます。
そうしたら元画像を活性化します。 画像ウィンドウの左下隅にある 「クイックマスク」チャンネルを活性化させてから、 メニューより を辿るか、 チャンネルのプロパティを編集するボタン をクリックしてダイアログを呼びだし、 色を変更してください。 さて元の画像に戻ったら、 Ctrl+V で先ほど写し取っておいたレイヤーを貼り付けます。
ボタンをクリックしてください。 画像は半透明の赤 (初期設定) 色で覆われます。 元画像の赤にかぶってしまうので赤は今回ふさわしくありません。 チャンネルダイアログを開き、ほらこのとおり。 選択マスクの準備ができました。 選択範囲は普段通り改良できます。 選択範囲が整ったら、 クイックマスクボタンをもう一度押して解除してください。 選択範囲の輪郭には点滅破線が現れます。
ズームツールを使って各画素が見えるまで拡大しましたし、 大きい不要な部分はなげなわツールを使って取り除きました。 (曖昧さが無い) 鉛筆ツールを使って、 選択範囲を削るには黒色で、 選択範囲を足すには白色で、 特に茎の部分を描画しなおしました。