ファジー選択ツール (魔法の杖、 自由選択ツール) は画像またはレイヤーから同系色をもとに選択をとるためのものです。
このツールを使う場合には最初の位置を決めることが極めて重要です。 変なところを選んでしまうとなかなか思ったとおりの範囲が作れないばかりか、 要らない部分が入ってしまうこともありえます。
この杖は輪郭のはっきりした形象を選択するのに適したツールです。 使ってみれば面白いこともあって、 初心者はたびたび連用しがちです。 でも思ったとおりに選択させるのは結構難しいので、 所詮使えば使うほどいらいらが募るしろものだとも気付かれることでしょう。 熟練したユーザは パス ツールとか 色域選択 ツールのほうがずっと能率的にできると知っていて、 この杖はそんなには使いません。 それでも、 輪郭の内側を選択するとか選択の欠けたところを補うとかの作業には便利です。 殊に単色 (もしくはほぼ単色) な背景部分を選択するのなら非常にうまくやりとげます。
選択範囲は中心からみて膨らんでいるように見えますが、 となりあう画素 (ピクセル) が染まったからだけではありません。 しきい値 に基づいて小さな間隙を飛び越えてつながりあえるからです。 しきい値は選択の起点をとったあとのファジー選択の最中にマウスポインタを下方向 (または右方向) にドラッグすると増加し、 上方向 (または左方向) にドラッグすると減少します。
ファジー選択に固有の修飾キーはありません。 選択ツールに共通のものなら同じように使えます。 詳しくは 選択ツール をご覧ください。
はじめは画像上のクリックされた点から選択を開始し、 水が低いところへ流れこむように、 最初の画素と類似色の隣りあった画素がつぎつぎと選択されてゆきます。 類似性のしきい値はマウスポインタを下方向 (または右方向) にドラッグしてゆくと増加し、 選択範囲が拡がります。 選択範囲を控え目にするのなら上方向 (または左方向) にドラッグしてゆきます。
選択範囲を移動するのならば 選択範囲の移動 をご覧ください。
一般的にはこのツールを起用すると、 そのツールオプションがツールボックスの下に繋げられたウィンドウ上に現れます。 そのようなウィンドウが見あたらないときは、 画像ウィンドウのメニューより
→ → と辿れば今使っているツールのツールオプションウィンドウが開きます。注記 | |
---|---|
選択ツールに共通して使えるオプションについては 選択ツール をお読みください。 ここではこのツールに特有のオプションについてのみ取り上げます。 |
選択ツール共通のオプションです。
これらのオプションはファジー選択ツール (魔法の杖) が開始点から選択範囲を拡げてゆく手段を左右します。
このオプションは魔法の杖が完全透明な領域をも選択する自由を与えます。 このオプションを無効にすると透過領域は全く選択されません。
このオプションは画像に複数のレイヤーがあって活性レイヤーが半透明か、 もしくは「標準」以外のレイヤーに定められている場合に関わってきます。 この状態では現在のレイヤーの色と合成された画像の色とが異なっているはずです。 レイヤー結合色 オプションが無効にされているときは現在活性化しているレイヤーの色だけを見て選択を作ります。 逆に有効であればすべての可視レイヤから色を合成して判断します。 用語集の レイヤー結合色 の項に詳しく書かれています。
このスライダはマウスポインタで開始点をとった時点での選択対象となる色の幅を示すもので、 マウスをドラッグすると変化します。 しきい値が高いほど選択される範囲は大きくなります。 開始点をとった後で、 マウスを下方向もしくは右方向にドラッグすると選択範囲の大きさが増します。 反対にマウスを上方向もしくは左方向にドラッグすると大きさが減ります。 つまりしきい値をこのスライダで設定しなくても同等に調節が可能だということです。 両者の違いは、 しきい値を大きくとるためにはマウスでドラッグする方法でははるかに大幅なポインタ移動が必要になるということです。
GIMPが類似色を算出するために画像のどの成分を根拠とするかをこのオプションで指定します。
根拠となる成分を
、 、 、 、 、 からひとつ選びます。