4. テキストとフォント

図8.33 テキスト品目の例

テキスト品目の例

テキスト品目の例、 テキストレイヤーの境界線が見えている。 (フォント名: Utopia Bold)


テキストツールは徐々に改良が加えられています。 GIMP 1.2 から GIMP 2.0 への最大の改善点がテキストの扱いでした。 GIMP 2.0 及び GIMP 2.2 では各テキストはテキストレイヤーとなって分離したので、 そのテキストレイヤーに立ち戻れば文章の編集ができます。 また画像内でテキストを移動できるほか、 書体や大きさも変更可能です。 システム上で使えるフォントはすべて利用できます。 行揃えの形式、 インデント、 行間隔も調節できます。

GIMP 2.6 からは画像上でテキストの囲み線 (矩形枠) を描けるようになったうえ、 この枠を矩形の選択範囲の編集の要領で調節できます。 テキストの編集はテキストエディタ上で行ないますが、 この枠内で自動的に文字が回り込みます。

テキストレイヤーはまさしく他のレイヤーと同じ要領で操作できますが、 操作によってはその成果を失なわずにテキストを再編集する望みの無いことも覚悟せねばなりません。

図8.34 GIMP テキストエディタ

GIMP テキストエディタ

テキストレイヤーには見たままの画素データだけではない情報が詰まっていることがわかると、 テキスト操作の特質を少しでも理解する助けになるかもしれません。 その情報とは、 テキストについてのテキストエディタ形式による表現です。 テキストツールを使うときに現れるテキストエディタウィンドウ内で見られます。 テキストを変更するたびに画像のレイヤー上でもその成果が反映されます。

テキストレイヤーを作成したあとで、 テキストツールを通さない操作 (例えば回転) をしたとします。 そのテキストをまたテキストツールで編集すると、 テキストツールはテキストレイヤーを再描画しますので、 それまでのこのレイヤーに対する操作の成果は破棄されることになります。

目立たない危険ですので、 テキストツールはそれに陥らないようにはからいます。 操作してあるテキストレイヤーのテキストを再び編集しようとすると、 メッセージが現れ、 それまでの操作が取り消されてしまうことを警告し、 つぎの3つの選択肢を示します。

図8.35 変更が失われることを警告

変更が失われることを警告