2. 選択範囲の作成と利用

2.1. 選択範囲の移動

矩形選択や楕円選択の見えかたは 2 つのモードがあります。 初期設定では選択範囲に取っ手 (ハンドル) がつきますが、 選択範囲内をクリックするか Enter キーを押すと取っ手が消えて点線の輪郭 (点滅破線) だけの表示になります。 この他の選択ツールはこのようなふるまいをしません。

2.1.1. 矩形選択と楕円選択の移動

選択範囲の取っ手をクリックしてドラッグすると、 選択範囲の境界線は移動しますが、 選択された矩形や楕円の内側の画像は移動しません。

移動 ツールは移動対象を選択範囲にして使います。 このツールでは選択範囲、 パス、 レイヤーの移動ができます。

図7.5 選択範囲の輪郭を移動

選択範囲の輪郭を移動

大概のシステムでは 矢印キーを使って選択範囲が移動できます。 ただし細かいところでシステムごとにその動作や使い方が違います。 矢印キーを操作しても選択範囲が移動しないときはまず選択範囲上にマウスカーソルを置いてください。 ここで Alt キーを押したままにします。 (システムによってはこれが Ctrl+AltShift+Alt のような組み合わせだったりします。) そのどれかと 矢印キーを組み合わせた操作で選択範囲が 1 ピクセルずつ移動でき、 どれか他の組み合わせで 25 ピクセルずつの移動ができます。 選択範囲の辺や角の取っ手にマウスカーソルを置いてこのような操作をすると選択範囲の大きさが変更できます。

取っ手のない選択をドラッグして放った場合には、 新たな選択ができてしまいます。選択範囲の内容の移動のしかたは、 つぎの 2 通りがあります。

  • Ctrl+Alt を押したまま、 選択範囲をクリックしてドラッグします。 もとの位置の画像は空白になります。 フローティング選択範囲が作られます。 このショートカットキーはお使いのシステムによっては別の組み合わせの場合があります。 ステータスバーをご覧になり、 たとえば Shift+Ctrl+Alt のような他の組み合わせがないか確かめてみましょう。

    図7.6 選択範囲とその内容の移動、 もとの位置に空白

    選択範囲とその内容の移動、 もとの位置に空白

  • Shift+Alt を押したまま、 選択範囲をクリックしてドラッグすると、 もとの位置は空白になりません。 フローティング選択範囲が作られます。

    図7.7 もとの位置を空白とせずに、 選択範囲とその内容を移動

    もとの位置を空白とせずに、 選択範囲とその内容を移動

[注記] 注記

システムに拠っては Shift キーや Ctrl キーを押す前に Alt を押さなくてはなりません。 これは ShiftCtrl を先に押すと、 システムが GIMP の態勢を既存の選択範囲に選択範囲を追加もしくはそこから除外するモードに切り替えてしまうため、 後から押された Alt が無視されてしまうからです。

2.1.2. その他のツールでの選択範囲の移動

それ以外の選択方法 (自由選択、 ファジー選択、 色域選択) では選択範囲に取っ手がありません。 これらをそのままドラッグして放つことはできません。 これらの選択範囲を矩形や楕円の場合のように移動させるには、 それぞれ Ctrl+AltShift+Alt を押したままクリックしてドラッグします。

クリックしてドラッグするかわりに 矢印キーを使った場合は、 輪郭線のみが移動します。

2.1.3. その他の方法

[注記] 注記

もっと遠回しな方法ならば、 他にも選択範囲を移動できます。 まず フローティング選択範囲 にします。 つぎに、 もとの位置を空白にするのならばクリックしてドラッグするか 矢印キーで内容を移動、 もとの位置を空白にしないのならば写し取って貼り付けします。