13.8. CML エクスプローラ...

13.8.1. 概観

図16.293 CML エクスプローラフィルタの使用例

「CML エクスプローラ」フィルタの使用例

CML エクスプローラフィルタの適用例 (初期値)


CML エクスプローラ... フィルタは質感表現の王者です。 極めて有能ですがとても複雑です。 このプラグインは生成過程にセルラオートマタ (セルオートマトン) [WKPD-CA] という計算方法を用いています。 CMLCoupled Map Lattice (結合写像格子) の略です。

13.8.2. フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより フィルタ下塗りパターンCML エクスプローラ...

13.8.3. オプション

オプションの全体像と共通オプション

このフィルタのオプションは大部分が 色相彩度明度詳細その他その他の操作 の各タブに分かれています。 タブの外にある共通オプションについてはつぎのとおりです。

プレビュー

このフィルタはプレビュー画面がありますので、 実際にフィルタをかける前からダイアログ上で調節したとおりに即座に効果のようすが見て分かるようになっています。

新しい種; 固定種; 乱数種

乱数が模様の作成に大きな役割を果たしています。 これらのボタンのどれもが乱数発生に関わります。 新しい種 ボタンをクリックすると乱数発生源を新たにし、 その乱数を使うようにします。 プレビュー画面にはその成果がすぐ現れます。 固定種 ボタンをクリックすると乱数種に同じ値を使い続けるようにしますので、 フィルタは同一の効果を繰り返し発揮します。 乱数種 ボタンをクリックすると無作為に新たな乱数種を発生します。

開く; 保存

この一組のボタンを使えば、 模様を描く設定内容をファイルに収め、 あとで読み込んで再利用できます。

CML エクスプローラフィルタのオプション (色相)

図16.294 色相タブ

色相タブ

このフィルタは HSV 色モデルで作動します。 このタブでは色相に関するオプションを設定できます。

関数の種類

この引き出しリストから、 レイヤー上で行なわれる処理の方法が選べます。 つぎのいずれかを指定してください。

  • 画像の値を保持 オプションを選ぶと元の画像の色相の値が保たれます。

  • 最初の値を保持 オプションを選ぶと最初の色は標準的なシアンになります。

  • パラメータ k で塗るk{x(1-x)}^p段階化 k{x(1-x)}^pkx^p段階化 kx^pk(1-x^p)段階化 k(1-x^p) はいずれも後述するパラメータk[と乗数p]の値によってパターンの見た目が決まります。なおxとは色相の値を 256 で除算した値 (0.0 から 1.0 まで) です。

  • デルタ関数段階化デルタ関数: FIXME

  • sin^p 型関数段階化 sin^p オプションは極地のオーロラやカーテンのひだのような波形パターンを生成します。

合成

これらのオプションは色相を基に合成を行ないます。 つぎのいずれかを選んでください。 xは色相の値を 256 で除算したもの (0.0 から 1.0 まで) であり、 dは 256 分の 1 です。 xの値そのものかもしくはdを加減した値と、 先に選んだ関数により得られた値との大小比較を行なって、 大きい方の値Maxか小さい方の値Minをとります。

なし は先に選んだ関数により得られた値をそのまま使います。 Max(x, -) から Max(x+d, -)Max(x-d, -)Min(x, -)Min(x+d, -)Min(x-d, -) まではいずれも大小比較をします。 またxの値により Max(x+d, -), (x < 0.5) から Max(x+d, -), (0.5 < x)Max(x-d, -), (x < 0.5)Max(x-d, -), (0.5 < x)Min(x+d, -), (x < 0.5)Min(x+d, -), (0.5 < x)Min(x-d, -), (x < 0.5)Min(x-d, -), (0.5 < x) までは条件付きで大小比較を行ないます。

これらの関数の組み合わせすべての結果を載せるとなると一冊の本ができあがってしまうことになりますので、 申しわけありませんがご自分でその効果を確かめてください。

その他のアレンジ

この引き出しリストにはつぎのような他のパラメータがあります。

標準 から 平均値を使う逆数を使う(0,10) の乱数乗する(0,1) の乱数乗する(0,1) の傾斜乗する(0,1) の乱数倍する(0,2) の乱数倍する(0,1) の傾斜倍するp と (0,1) の乱数で までの10種類です。

これらのパラメータの効果をすべて説明するにもやはり一冊の本が必要になります。

回帰値域を使う

//TODO

変化度

このスライダや付属する数値記入欄は 0.0 から 1.0 までの範囲で変化の割合を設定します。 低い値にすると線状のパターンができます。

環境感度

このスライダの値は 0.0 から 1.0 までの範囲があります。

拡散域

このスライダの値は 2 から 10 までの範囲があります。

サブレンジ数

このスライダの値は 1 から 10 までの範囲があります。

乗数 p

このオプションの値が前述の 関数の種類 で選んだ関数に影響するパラメータpです。 このスライダの値は 0.0 から 10.0 までの範囲があります。

パラメータ k

このオプションの値が前述の 関数の種類 で選んだ関数に影響するパラメータkです。 このスライダの値は 0.0 から 10.0 までの範囲があります。

値域下限

計算に用いられる色相の値の下限です。 値は 0.0 から 1.0 までの範囲です。

値域上限

計算に用いられる色相の値の上限です。 値は 0.0 から 1.0 までの範囲です。

設定のグラフを描く

この横長な大きいボタンをクリックすると設定に基づく色相の出現程度をグラフ化したウィンドウが現れます。

図16.295 現在の設定を反映する関数化グラフ

現在の設定を反映する関数化グラフ

CML エクスプローラフィルタのオプション (彩度)

図16.296 彩度タブ

彩度タブ

このタブではHSV色モデルの彩度要素をパターン描画計算にどのように利用するかを設定します。

これらのオプションは色相タブと似ています。

CML エクスプローラフィルタのオプション (明度)

図16.297 明度タブ

明度タブ

このタブではHSV色モデルの明度要素をパターン描画計算にどのように利用するかを設定します。

これらのオプションは色相タブと似ています。

CML エクスプローラフィルタのオプション (詳細)

図16.298 詳細タブ

詳細タブ

このタブではHSV色モデルの3つのチャンネルごとに感度と変化の割合や幅の絞りを調節します。

チャンネル感度

// TODO

変化度

// TODO

変化域

//TODO

CML エクスプローラフィルタのオプション (その他)

図16.299 その他タブ

その他タブ

このタブは画像表示に関するいろいろなパラメータと、 乱数に干渉するパラメータを調節するところです。

初期値

// TODO

拡大スケール

// TODO

開始オフセット

// TODO

乱数の種

// TODO

CML エクスプローラフィルタのオプション (その他の操作)

図16.300 その他の操作タブ

その他の操作タブ

このタブでは色相彩度明度のタブで相互に設定値を転写する操作と、 設定ファイルから転写先を変更して読み込む操作ができます。

設定をコピー

これらのオプションはHSVのいずれかのチャンネルから他のチャンネルへ設定値をやりとりします。 コピー元チャンネルコピー先チャンネル をそれぞれ選んで パラメータをコピーする ボタンをクリックすると転写が実行されます。

選択可能な設定読み込み

このフィルタでは 開く ボタンをクリックするとダイアログが開かれ、 以前に設定したときの設定内容を記録した設定ファイルがあれば選択して読み込めます。 しかしそのまま全部読み込まず一部だけ利用したいときは、 ここで元チャンネルと読み込み先チャンネルを指定して読み込めます。